公開中の映画「ルノワール」(早川千絵監督)に出演している女優の石田ひかり(53)がこのほど、スポーツ報知のインタビューに応じた。同作で初めてカンヌ国際映画祭に参加し「レッドカーペットは夢心地。

一生、忘れられない感動」と興奮。大ファンだというドジャース・大谷翔平投手(30)についても熱く語った。(有野 博幸)

 最高賞「パルムドール」を競うコンペ部門へ出品されて参加したカンヌ映画祭。石田は着物姿でレッドカーペットの感触を味わった。「限られた人しか歩けないと思うと、心が震えました」。公式上映(現地時間5月17日)では「エンドロールにまで拍手が起こって、お客様も映画のプロなんだな」と感心したという。

 撮影当時11歳だった鈴木唯(12)演じる主人公・沖田フキのひと夏の物語。フキの母・詩子(うたこ)を演じた。夫(リリー・フランキー)の看病、仕事、家事に追われて心の余裕を失っていく役どころ。早川監督から「気持ちは強く、芝居は抑えてください」とリクエストされ「すごく難しかったです。唯ちゃん、リリーさんと話しながら必死に詩子として生きました」と振り返った。

 「子供はいつ大人になるのか」が作品のテーマ。

「大人であれば、誰もが味わっている感情だけど、思い出したくないこともある。友達に意地悪をしたくなったり、友達の家をのぞき見したくなったり」。撮影期間中にリリーが言った「大人なんていない。みんな同じ人間なんだよ。大人なんて子供の妄想の産物」という言葉に考えさせられた。

 「日々の生活で心の支えは何ですか?」と尋ねると、はにかみながら「大谷選手です!」と即答した。「一昨年、ケガをした日のことも覚えているので、感慨深いですね。あの時は私も落ち込みました。でも、ドジャースに移籍してからも血のにじむような努力をされて大活躍。彼の活躍を見られる私たちは本当に幸せです」と大谷愛を熱弁した。

 「娘2人は22歳と20歳で成人しているのですが、16年間、毎朝5時に起きて弁当を作っていました。一息ついた頃にテレビで中継していて『よし、頑張ろう!』という気持ちになる。

大谷選手が引退したら何を励みに生きればいいの!?」と気が早い話だが、頭を抱えている。

 14歳で芸能界デビューして40年目。4歳から中学時代まで水泳に熱中したこともあり、体育会系の前向き思考で「とにかく前に進もうと、何事も根性論で生きています」。最近になって「現場で死んでいきたいと思うほど、お芝居が大好きになってきました」。試行錯誤しながらキャリアを重ね、子育ても一段落して気力が充実。今後一層、女優業にまい進していく。

 〇…昨年8月、石田の代表作であるフジテレビ系“月9”ドラマ「あすなろ白書」(93年)でダブル主演した筒井道隆(54)と同局系バラエティー番組「ぽかぽか」で共演。当時を知るファンから「胸熱!」と話題を集めた。「筒井くんは親戚みたいな感じ。あすなろ会は特別な存在です」と愛着を語った。

 ◆石田 ひかり(いしだ・ひかり)1972年5月25日、東京都生まれ。53歳。

86年に日テレ系ドラマ「妻たちの課外授業2」でデビュー。大林宣彦監督の「ふたり」(91年)で映画初出演・初主演。NHK連続テレビ小説「ひらり」(92年度後期)でヒロインを務め、92、93年にNHK紅白歌合戦の紅組司会。姉は石田ゆり子。160センチ。血液型A。

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