フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)の株主総会が25日、東京・江東区の有明アリーナで行われた。40年以上にわたって会社経営の中枢にあった日枝久氏(87)は、取締役相談役の退任が正式に決まった。

 総会後、同局内で取材に応じたフジテレビ社長でフジ・メディアHDの清水賢治専務は日枝氏について「1980年代の躍進は日枝取締役の功績だったと思う。『楽しくなければテレビじゃない』というスローガンとともに果たした役割は大きかった」と評した。スローガンの「楽しくなければテレビじゃない」は当時、清水氏は「視聴者が見たいものがいいんだ、というのを明確に規定した」と認識し「画期的な民主化だった」と表現した。

 一連の問題を受けて「楽しくなければテレビじゃないからの脱却」を掲げたことで、「多くの方から否定、お叱りを受けた」というが、「曲解して、楽しくなければ、の前に、あらゆる犠牲があっても、というのがあったので脱却しなければならない。あえて否定し続ける」とし、決別の意思を改めて強調した。また「今日にいたるところまでの長年の、フジテレビが落ちてきたところは、何らかの責任があるのではないかと思いました。功罪ある、という認識」と日枝氏の責任にも言及した。

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