J2ジュビロ磐田に後半戦の起爆剤が加わった。オランダ1部・NACブレダから完全移籍したDFヤン・ファンデンベルフ(30)とタイ1部・ムアントン・ユナイテッドから期限付き移籍したタイ代表FWポラメート・アーウィライ(26)が24日から合流。

すでに登録は完了しており、早ければ今季3度目の3連勝が懸かる28日のホーム・仙台戦でジュビロデビューする。

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 J1昇格へ、頼もしい新助っ人が合流した。ベルギー出身のDFファンデンベルフは19日に来日し、数日の個別トレーニングを経て24日から全体練習に参加。フルメニューを消化し「一日も早く貢献したい。昇格のためにできることは全てやる」と力強く言い切った。

 188センチの左利きでセンターバックを本職とする。「ボールを持った時のプレーが得意。セットプレーでもたくさんゴールを決めてきた」と胸を張る。昨季はオランダ1部で主将を務め、30試合2得点。米大統領専用機になぞらえた「エアフォースヤン」の異名を持つほど空中戦に強く、「ロングスローも得意なんだ」とニヤリ。チームに新たな風を吹かせる存在になるのは間違いない。

 日本でのプレーは初めて。

「新しい冒険をしたい」と新天地を求めた。来日前に映像で磐田の試合をチェックし、21日の千葉戦(1〇0)も観戦。「期待以上にいい雰囲気で素晴らしい試合だった。(日本のサッカーは)オランダよりクイックで速い展開が見られた」と印象を語った。

 オランダでの最終戦は5月18日だったが、コンディションは落ちていない。初めて覚えた日本語が「蒸し暑い」と苦笑いするほど、高温多湿な日本の夏には驚いたというが「慣れていけば問題ない」とうなずいた。

 最速で仙台戦から出場できる。勝ち点2差で勝てば順位が入れ替わる4位との一戦でデビューする可能性が出てきた。ジョン・ハッチンソン監督(45)も「チーム内の競争が促進される」と期待する。新助っ人が、ジュビロを高みへ押し上げていく。(武藤 瑞基)

 ◆ヤン・ファンデンベルフ 1994年10月2日、ベルギー生まれ。30歳。

14年にK・SK・ハイスト(ベルギー)入りし、KAAヘント(ベルギー)などを渡り歩き、23年からNACブレダ(オランダ)でプレー。188センチ、80キロ。利き足は左。背番号52。

  〇…アーウィライは180センチのストライカー。ファンデンベルフと同じく21日に来日し、24日から合流した。練習公開日だったため「ファンがたくさんいてくれてうれしい」と笑顔を見せた。タイ出身選手ではかつてFWティーラシン・デーンダー(37)が清水で活躍している。「得意なことはスペースをつくること、ゴールを取ること」と母国の先輩たちに負けじとアピールしていく。

  ◆ポラメート・アーウィライ 1998年7月20日、タイ生まれ。26歳。17年にムアントン・ユナイテッド(タイ)入りし、バンコクFC(タイ)などでプレー。

22年からタイ代表。180センチ、72キロ。背番号は14。

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