「爆笑問題」の太田光が26日、都内で「高畑勲展―日本のアニメーションを作った男。」(27日~9月15日、麻生台ヒルズギャラリー)のオープニングセレモニーにゲスト出演した。

 2018年に死去したアニメーション監督の高畑さんの軌跡をたどる展覧会。

「パンダコパンダ」「アルプスの少女ハイジ」などの人気アニメのほか、スタジオジブリを設立してからの映画「火垂るの墓」「平成狸合戦ぽんぽこ」、遺作となった「かぐや姫の物語」などの貴重な資料を展示する。また戦後80年の節目として「火垂るの墓」の秘蔵資料を初公開。庵野秀明氏がレイアウトを担当した「重巡洋艦摩耶」のカットが展示される。

 かつて対談を機に、高畑さんと数回面会した経験のある太田は、第一印象について「僕がこんな感じだったんで、監督は引いてましたね」と笑わせつつ「寡黙のなかにもこだわりの強さがあって。『これぐらいでいいや』が一切ない、妥協を許さない厳しさがあった」と振り返った。

 この日の司会は元NHKの武内陶子アナが務めたが、太田と武内アナは1965年生まれの同級生。武内アナが「私もちょうど還暦で」と明かすと、太田は「(僕より)年上かと思っていました」とジョークで切り返し。すぐさま「女子アナにいろいろ言うとやばいんでね。田原俊彦です」と、15日のTBSラジオ「爆笑問題の日曜サンデー」(後1時)にゲスト出演した田原俊彦の不適切言動を引き合いに出した。

 イベント後に報道陣の取材に応じた太田は、最近の芸能ニュースについて尋ねられると「僕も当事者ですからいろいろありますけど…。僕の解釈だけど高畑さんが『火垂るの墓』は反戦映画という一言でくくらないで欲しいっていう部分に、僕はすごく共鳴する」と切り出した。「いま『人権』という言葉に振り回されて、ああでもない、こうでもないって、もがいている状態。

フジテレビの問題以降、『人権』という言葉をどうやって解釈していいのか日本中が右往左往している。とんちんかんなことをやって、CMを下げてみたり戻してみたり…」と言葉に力を込めた。

 「全部、遠回しにトシちゃんのことを言ってるんですけど」と笑わせつつも、「我々は成長しなきゃいけない最中」と自戒も込めてコメントした太田。「法令遵守って言いますけど、法に書いてあるもの以上のものを取り巻いて人間は生活しているんだっていうことが、たぶん一番重要なこと。僕らもやっぱりそれをネタにし続けるし、それを高畑さんは生涯通じてそれをやり続けた」と尊敬の念を口にしていた。

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