◆ラジオNIKKEI賞追い切り(26日・美浦トレセン)

 夏競馬に本格突入する今週行われる2重賞の出走馬が26日、確定した。福島の開幕週を飾る第74回ラジオNIKKEI賞・G3(29日)では、舟山瑠泉騎手(18)=美浦・田中博厩舎=が、自厩舎のレーヴブリリアントとコンビを組み、今年のルーキー一番乗りで重賞初騎乗。

函館2週で2勝と上昇ムードのなか、「攻めていきたい」と恩返しの勝利をうかがう。

 ルーキーの舟山が、初勝利を挙げた思い入れのあるレーヴブリリアントと、ラジオNIKKEI賞で重賞に初挑戦する。「このようなチャンスをもらえるとは思っていなかった。先生に支えていただいたおかげですし、機会をいただいた関係者の皆さまにも感謝したい」と開口一番に語る。田中博調教師も「オーナーのご理解があって実現しました。これだけ早い時期に乗せてもらえるのはありがたいです」と師弟ともに周囲に感謝の言葉があふれた。

 いつか厩舎の主戦ジョッキーを任せてもらえるようになりたい―。目標に向かって競馬と向き合い、チャンスが自覚とモチベーションを高めた。今夏は函館に滞在。美浦を出発する前に重賞騎乗を知った。函館2週目を終えて現地で2勝。課題だった積極性と向き合い、勝利は逃げ切りと3角先頭だった。

「重賞に騎乗できると知ってからより一層、頑張らないといけないと思いました。一列前を意識して、先週は抑え切れたレースがあった。流れに乗れてきました」と心境に変化。指揮官も「まだまだ未熟な部分が目立ちますが、思い切りよく乗れるようになってきたし、(函館)2週目で改善されていました」。まな弟子の成長を評価する。

 いよいよ迎える重賞の舞台。重賞初騎乗初勝利なら、グレード制導入の84年以降、22年CBC賞(テイエムスパーダ)の今村以来6人目。「重賞だからこそ攻めていきたい。僕がうまく乗れればチャンスはあると思う」。田中博調教師は「(重賞を勝つのは)簡単なことではないですが、ノーチャンスの馬ではない」と勝機をうかがう。師匠と歩む舟山の騎手人生に、また一つのページが刻まれる。(浅子 祐貴)

 ◆舟山 瑠泉(ふなやま・るい)2006年7月28日、千葉県生まれ。

18歳。今年の3月1日にデビューし、同8日、中山7RのレーヴブリリアントでJRA初勝利。22日函館6Rで通算4勝目。同期は上里、遠藤、谷原、田山、森田、和田陽。趣味はサウナ。

課題の折り合い克服

 レーヴブリリアントは26日、美浦・Wコースで追い切り。ジーゲル(4歳1勝クラス)を3馬身あまり追走し半馬身後れを取ったが、課題の折り合い面はスムーズでリズム良く脚を伸ばした。タイムも6ハロン81秒6―11秒4と及第点で、田中博調教師は「誘導馬が動きすぎていて手応えは見劣りましたが、騎乗者(助手)は『しっかり動けている』と言っていましたし、前向きにとらえています」と手応えを口にした。

 2勝を挙げる中山と同じ右回りの福島コースにも「合うと思っています。しまいはしっかりしているし、ハンデ(54キロ)も軽い。うまく立ち回れれば一発があってもいいですよ」と自信をのぞかせた。

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