◆クラブW杯 1次リーグ第3戦 浦和0―4モンテレイ(26日・ロサンゼルス・ローズボールスタジアム)
1次リーグ最終戦が行われ、E組の浦和はモンテレイ(メキシコ)に0―4で完敗し、3戦全敗で今大会を終えた。既に敗退が決まっていた浦和は初勝利を目指したが、前半に3失点を喫しなすすべなく敗れた。
あらためて世界の広さを痛感した“魔の10分間”だった。すでに1次リーグ敗退は決まっていたが、日本から数多く駆けつけたサポーターのためにも意地を見せたかったこの試合。立ち上がりからペースを握ったが、世界基準の一撃で流れが一変した。前半30分。モンテレイMFデオサが、約30メートルのロングシュート。GK西川が「Jリーグでは打ってこない間合い」と評した強烈なぶれ球の一撃で先制を許した。
この失点で崩れた。飲水タイムで中断しても相手の勢いは止まらず、前半34分には中央を崩されて2失点目。その5分後にも再び絶妙なミドルシュートを決められ、わずか10分間で3点を奪われた。
日本国内では堅守を武器とするチームが、3試合で計9失点。対戦相手は一瞬の隙をつき、この日の先制点のように圧倒的な個でゴールをこじ開けてきた。DF関根は「リーグの色が出たかな、とは思います。日本は、チームの構造を維持したまま戦って、全員で守って全員で攻める。ただそうじゃない、個が強い相手に対しては、日常のリーグの文化の差が出たと感じる」と話した。組織で守ることには慣れている選手たちが、国際舞台で突出した個をいかに止めるか、という壁にぶち当たったとも言える。
レベルが拮抗(きっこう)するJリーグとは違い、格上との真剣勝負で3戦全敗。敗退が決まっていた中での最終戦では、勝てば上積みされる賞金200万ドルも取りこぼした。J1リーグの優勝賞金3億円をはるかに上回る大会参加賞金955万ドル(約14億円)は大きかったが、それ以上に1勝もできなかった悔しさは募る。
スコルジャ監督(53)は「もっと国際的な経験を積む必要がある。3試合とも本命でない立場で挑み、多くの学びがあった」と課題と収穫を挙げた。
◆クラブW杯 主催は国際サッカー連盟(FIFA)。欧州と南米の王者が対戦したトヨタ杯を吸収し、05年から各大陸の王者が出場する世界大会に拡大。25年大会からは4年ごとの開催となる新方式に改編され、21~24年の各大陸連盟クラブ王者など32チームが参加している。10億ドル(約1500億円)とも言われる放映権料が配分賞金の原資で、収益はクラブに還元されるため夢の金額が設定された。