大相撲名古屋場所(IGアリーナ)は13日に初日を迎える。新入幕を果たした琴栄峰(22)=佐渡ケ嶽=が真夏の土俵を盛り上げる。
兄は同部屋の幕内・琴勝峰(25)で、史上13組目の兄弟幕内となった。埼玉栄高を経て、22年初場所で初土俵を踏み、昨年九州場所で十両に昇進。輝かしい経歴に見えるが、小学生の時は千葉県大会の1回戦で敗れることもあった。中学時代までは目立った成績がなかったという。「背は人よりあったが、太りにくい体質で、体重がなくて細かった」
中学受験では進学校へ進む道も考えていた。進路に迷っていた時、相撲の潜在能力を見抜いた埼玉栄高の山田道紀監督から誘いを受けた。「父親からは中学へ上がる時から『やるなら相撲と勉強を中途半端にしないように』と言われていた。(勉強が)うまくいかなかったこともあって、それなら(埼玉)栄に行こう」と中学での入寮を決心した。
琴栄峰の代名詞にもなっているのが、取組前に足を高く上げる美しい四股。夏場所も四股を踏むたびに大歓声が起こった。「足を上げることは序ノ口からやっていたが、幕下上位ぐらいの頃から(観客に)知っていただけるようになった」。きっかけとなったのが幕内・阿炎の記事。
念願の新入幕場所。「幕内は圧力のある人ばかり。幕内でもスピード感ある相撲を取りたい」。持ち前の素早く相手の懐に入る速攻相撲で存在感を示す。(大西 健太)
◆琴栄峰 央起(ことえいほう・ひろき)本名は手計太希。2003年7月8日、千葉・柏市生まれ。22歳。埼玉栄高を経て佐渡ケ嶽部屋に入門。22年初場所で初土俵。