◆全国高校総体◇フェンシング(8月6~9日・安来市民体育館)

 静岡県女王が全国の猛者と渡り合う。個人対抗戦の女子サーブルに小笠原悠(加藤暁秀2年)が初出場。

手足の長さを生かした攻撃が持ち味で「全国ではベスト16以上を目指したい」と抱負を語った。

 普段は、アスルクラロフェンシングアカデミーで腕を磨く。県総体では同じクラブで、世界カデ日本代表の鈴木輝愛(三島北2年)を撃破した。「正直、勝てるとは思わなかった」。手の内を知り尽くしている相手をリーグ戦で倒して、勢いのまま頂点まで駆け上がった。

 フェンシングと同じくらい勉強が忙しい。クラブの選手は放課後、毎日のように沼津駅前の練習会場「F3BASE」に通うが、自身は授業や塾があり平日は週3回通うのが精いっぱい。04年アテネ、08年北京と五輪2大会に出場した同アカデミーの長良円代表(46)は「ほかの選手に比べると、練習量が足りないから体力がない。でもポテンシャルは十分持っているし、全国でベスト8を狙える力はある」と才能を認めている。

 将来は、医療関係の仕事に興味を持っている。米倉涼子主演のドラマ「ドクターX」の大ファンで、主人公の天才外科医・大門未知子にあこがれ、医師を目指したこともあった。「かっこいい女性。

他人にこびないところも好き」。ただ最近は「一人でも多くの人を救うような仕事をしたい」と、遺伝子研究などに気持ちが傾いている。

 今年の大会は島根で開催される。「大会前日には出雲大社へお参りに行きたいです」と、神話の地で全国1勝への道を歩み始める。

(塩沢 武士)

 ◆小笠原 悠(おがさわら・はるか)2009年3月27日、沼津市生まれ。16歳。小5からフェンシングを始めた。趣味は韓国アイドルの動画を見ること。家族は母。165センチ。

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