新日本プロレスの真夏の最強決定戦「G1クライマックス35」が19日に北海道札幌の北海きたえーるで開幕する。1991年の第1回から35年目となる今年はA、B両ブロックに10人、計20人のレスラーが最強戦士の座を目指し8・17有明アリーナでの優勝決定戦まで酷暑の列島で激闘を展開する。

 

 歴史的な偉業に挑むのがBブロックにエントリーされた昨年の覇者でIWGP世界王者のザック・セイバーJr.だ。6・29愛知県体育館大会で後藤洋央紀を破り王座を奪還。史上5人目の連覇、さらに1995年の武藤敬司、2000年の佐々木健介に続く史上3人目となる最高峰王者としてG1制覇に挑む。スポーツ報知は、このほどザックを直撃。王者としての優勝、そして2連覇への思いを激白した。

 開幕戦の7・19札幌の成田蓮から8・13浜松でのYOSHI―HASHIまでのリーグ戦。連覇へ向け最も注意する敵を7・30大阪(大和アリーナ)で戦うKONOSUKE TAKESHITAと明言した。

 「TAKESHITAが一番強い。この1年、彼は日本人の中で最も活躍した。若い世代のレスラーの中で一番輝いている」

 TAKESHITAは、G1に昨年、初参加し優勝決定トーナメントに進出した。初戦で敗れたが実力を見せつけ今年1・4東京ドームでは鷹木信悟を破りNEVER無差別級&AEWインターナショナルの2冠王となった。さらにDDT、AEW、新日本プロレスの3団体と契約しレスラーとしてのステータスはグレードアップした。

NEVER王座は6・15大阪城でボルチン・オレッグに敗れ陥落したが、今年1年の成長と進化は目覚ましくザックは最も警戒する。

 IWGP GLOBAL王者となったゲイブ・キッドとの対戦(7・20札幌)も興味深い。

「(ゲイブは)彼が16、17歳でイギリスで戦った。彼も凄いことを成し遂げた。彼は感情的なレスラーだ。ただ、感情的な部分をどう成功に結びつけるかが重要なキーだと思う。感情的なことはプロレスで武器になるが私と戦う上では役にたたない。自分と戦うなら感情的ではなく冷静に計算をして向かってこなければならない」

 一方で7・23長岡で戦う海野翔太には厳しい評価を下した。今年の1・4ドームでのメインイベントで戦ったが、こう断じた。

 「海野はドームの時と印象変わらない。ポテンシャルはあるが自分がどういうレスラーになりたいかわかってない。ファンタズモみたいにサングラスをかけたり、バイクに乗って入場したり…どういうレスラーになりたいか彼自身が分かってない。

プロレスのセンスはあるがどんなレスラーになりたいか分かってない」

 さらに別ブロックだが来年1・4ドームで引退する棚橋弘至の参戦には「ジョークだよ」とした上で「去年出てないから、予選から戦うべきだった。(今年の参戦は)シャチョー、パワーさ」

 外国人レスラーとして史上初の最高峰王者としてG1制覇、連覇に挑む夏。その先に新日本プロレス全体としては、柔道男子100キロ級で2021年東京五輪金メダルのウルフアロンの来年1・4東京ドームでのデビューが大きな話題を呼ぶだろう。ウルフの入団をこう受け止めた。

 「これは、すばらしいことだよ。金メダリストが新日本プロレス入ることで新日本プロレスの格が上がった」

 そして、続けた。

 「彼は柔道で世界一になった。ただ、プロレスは柔道や他の武道とは違う。金メダルがプロレス界では、通用するものではない。彼は修業をしなくてはいけない。違う環境でどう活躍するかをみるのは楽しみだね」

 アドバイスを送った。

 「彼はプロレスのすべての要素を知っておいた方がいい。

自分はルチャ・リブレをやらないがプロレスのすべての知識がほしかったからメキシコへ行っていろんなレスラーと戦ってルチャを学んだ。プロレスは知識がものをいう。そのためには準備をしなければいけない。それと、レスラーならタイトル戦はワクワクするがそういう試合だけではなくほとんどがホテルに泊まって長時間バスに乗って10分1本勝負の試合もある。その試合も一生懸命見てやらないといけないんだ」

 そしてIWGP世界王者として青写真を披露した。

 「ウルフアロンがデビューしたばかりの時にタイトルマッチで戦ってみたい。彼がどんなプロレスをするのか戦って感じたいんだ」

(福留 崇広)

 ◆ザックの公式リーグ戦

 ▼7・19札幌 成田連

 ▼7・20札幌 ゲイブ・キッド

 ▼7・23長岡 海野翔太

 ▼7・26大田区 エル・ファンタズモ

 ▼7・30大阪(大和アリーナ) KONOSUKE TAKESHITA

 ▼8・2広島 グレート・―O―カーン

 ▼8・5大阪(インテックス大阪5号館) 鷹木信悟

 ▼8・8横浜 ドリラ・モロニー

 ▼8・13浜松 YOSHI―HASHI 

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