大相撲の幕内優勝力士が千秋楽のパレードで乗るトヨタ自動車の最高級車で特別仕様の「センチュリー」が名古屋場所でも“続投”となることが12日、分かった。

 同車両は新型センチュリーのスポーツタイプ多目的車(SUV)をベースとした純白のオープンカーで、豊田章男会長(69)と親交の深い元横綱・白鵬翔さん(40)の希望を受けてトヨタが製作。

日本相撲協会に貸与され、昨年1月の初場所からパレードで使用されていたが、構想段階から関わっていた白鵬さんが6月9日付で協会を退職。これを受けてトヨタ側では製作に至った経緯も踏まえ、同12日の株主総会で豊田会長が言及するなど、提供をいったん取りやめる方向で検討が進んでいたという。

 だが、この状況で一肌脱いだのが白鵬さんだった。関係者によると、継続使用を望む複数の親方から相談を受け、力士たちからも「優勝パレードでセンチュリーに乗ることがモチベーションになる」との声が届いたという。白鵬さんが「後輩たちのために」と交渉役を買って出ると、豊田会長も力士たちの熱い思いを聞き、快諾。協会と協議の上、継続が決まった。

 新会場のIGアリーナのこけら落としで、新横綱・大の里にも注目が集まる名古屋場所。世界に1台だけのパレードカーが、今年も花を添える。

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