◆ラグビー▽リポビタンDチャレンジカップ2025 日本代表22―31ウェールズ代表(12日・ノエビアスタジアム神戸)

 世界ランク12位の日本代表は、同14位のウェールズ代表に22―31で惜敗し、5日の第1戦(24〇19)に続く2連勝はならなかった。伝統的強豪国(旧ティア1)から初の連勝を逃し、12月に行われる27年W杯オーストラリア大会の抽選で有利な組分けとなる、世界トップ12から圏外に後退する見通しとなった。

W杯抽選前に今秋に対戦する同3位アイルランド、同8位オーストラリアなど上位国討ちへ多くの課題を残した。

 桜の戦士たちは膝をつき、失望の中、大汗を拭った。ウェールズに勝てば旧ティア1から初の2連勝だったが、9点及ばず。最大18点差から一時は2点差に迫ったものの、残り約5分で突き放されて終戦。フランカーのリーチ主将は「勝てる試合を落としてしまったのが非常に悔しい」とこぼした。勝利した第1戦の後に初めてウェールズを上回った世界ランクも、再び逆転される見通しとなった。

 ノンキャップ選手8人の中で勝った前戦。若いチームのほころびをつかれた。前半36分までに3トライを献上し「感情的に2戦目に持っていくことができなかった」とジョーンズHC。前戦こそ7―19から逆転したが、課題の前半の入りを再び突かれた。屋根が閉まったスタジアムでも気温32度、湿度は68%。この試合から合流した23年W杯代表SHの斎藤は「スクリューパスも(指が)かからないくらいボールが(汗で)滑った」と明かし、落球のミスも勢いをそいだ。

 昨季は後半に守りが崩壊し、旧ティア1に続けて大敗し、4勝7敗に終わったが、成長は見せた。指揮官は、タックルしてからの努力値を色で可視化することで改善を図った。素早く走り出す動きを「ゴールド」とし、「ゴールドエフォート(努力)」を求めてきた。第2戦は15―24の後半22分、相手の攻撃に「超速」で重圧をかけミスを誘った。効果は表れ、こぼれたボールをCTBライリーが拾ってトライ。李がゴールを決め、2点差にまで迫った。チームの意識の高まりについて、ロックのディアンズは「感じます」と胸を張った。

 27年W杯の抽選会を12月に控え、アイルランドなどと戦う今後のテストマッチは本戦の組分けを見据えても重要視される。「この結果をバネにして次に向けて準備したい」とリーチ。実りの秋につなげていく。(大谷 翔太)

 〇…ウェールズは同じ若手主体の日本を振り切り、23年W杯から続いたテストマッチの連敗を18で止めた。2点リードの後半35分、22歳のSOエドワーズが値千金のトライ。

自らキックも決めて9点差と突き放した。フッカーのデヴィ・レーク主将は「(敗れた)先週の修正がしっかりできた。家族やウェールズで試合を見てくれた人たちのためにつかんだ勝利。ほっとしている」と、かみしめた。

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