12日の函館5R・2歳新馬(芝1800メートル)は、単勝1・1倍の圧倒的な支持を集めた白毛のマルガ(牝、栗東・須貝厩舎、父モーリス)が1分48秒1の2歳コースレコードで逃げ切り。G1を3勝したソダシの半妹が、姉と同じ舞台でのデビュー戦を飾った。

コンビを組んだ武豊騎手(56)=栗東・フリー=は「柔らかくていい馬。楽しみ」と大舞台を見据えた。

 着順掲示板に“レコード”の赤文字が表示されると、場内はどよめきと拍手に包まれた。

 マルガは白毛の馬体を輝かせ、1000メートル通過60秒4のスローに落として先頭で快調なリズムを刻む。3角で外からサントルドパリが早めの仕掛けで競りかけてきたが、慌てず、騒がず。直線で満を持して武豊がゴーサインを出すと、上がり3ハロン最速タイとなる35秒7の末脚で突き放して3馬身差をつけた。勝ち時計1分48秒1は18年にウィクトーリア(54岩田康)が出した記録を0秒2更新。2歳コースレコードを樹立する衝撃のデビュー戦だった。

 検量室前に引き揚げてきたレジェンドは「注目度が高かったからホッとした。なかなか1・1倍っていうのはないからね」と安どの表情。圧倒的支持に応えた相棒に「柔らかくて、いい馬。まだ口向きに課題はあるけど、素質がある。

楽しみですよ」と賛辞を惜しまなかった。

 半姉ソダシと同じ「7月12日、函館・芝1800メートル」での初陣。G1を3勝した名牝を2秒3上回るタイムで走破し、底知れないポテンシャルを見せつけた。「やっぱり力は違うから。この先は牝馬路線にいきたいと思っている。アルテミスS・G3(10月25日、東京)あたりを目標にしたい」と須貝調教師。多くの競馬ファンを魅了してきた白毛一族の伝説が、再び函館から幕を開けた。(山本 理貴)

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