◆バレーボール ▽ネーションズリーグ(NL)女子千葉大会 日本 ― ポーランド(12日、千葉ポートアリーナ)

 1次リーグが行われ、世界ランク5位の日本は同3位のポーランドを3―1で破り、千葉大会で3連勝。6月のNL開幕から通算9勝目(2敗)を挙げた。

昨夏のパリ五輪1次リーグ初戦で対戦し、1―3で敗れた因縁の相手に対し、同五輪代表の石川真佑主将(ノヴァーラ)が両チーム最多22得点、佐藤淑乃(NEC川崎)が17得点、千葉大会の登録選手最年長33歳のミドルブロッカー(MB)・島村春世(ペッパー貯蓄銀行)が、14得点で強敵撃破の原動力となった。

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 苦しい場面でベテランがチームを救った。1―1で迎えた第3セット(S)。13―14の競り合いで、島村が真骨頂の右に移動して行うブロード攻撃(片足で踏み切って横にスライドしながら打つ)を打ち抜いた。相手の高いブロックが追いつけないほど、コートの横幅を使った武器が光り、3連続得点で劣勢ムードだったチームをよみがえらせた。高さのある強敵を破り、島村は「高い相手に攻撃していくところは見せられた試合。(満員の会場に)いや~最高ですよね。私はこういう雰囲気が大好きなので、助かっています」と笑顔を見せた。

 海外では高さのあるMBが台頭する。五輪2大会で1次リーグ敗退の日本にとってブロックやMBを使った速攻、ブロード攻撃は課題だった。新体制では練習からMBとセッターは1球ごとに話し合い、課題と向き合ってきた。この日では日本がサーブレシーブで崩された状況でも、セッター関菜々巳は果敢にMBにトスを託し、島村もその思いに応えて決めてきた。

「信頼関係が少なからずないとできないところでセナ(関)は上げてくれるので、やっていてすごく楽しいし、頼られるとやっぱりうれしい」と司令塔にも感謝を込めた。

 13日は08年北京、12年ロンドン五輪で連覇した“王国”ブラジル戦。東京五輪にも出場した頼れるベテランは「私自身、ブラジルとやるのは久しぶりでワクワクするので、日本のミドルでもこれだけやれるんだぞ! というのを見せつけられるように。ブロックで存在感を出しつつ、スパイクでもこの人にブロック2枚つかなきゃ、きついなと思わせる攻撃を展開していきたい」と、強敵連破へ腕をまくった。(宮下 京香)

 ◆ネーションズリーグ 男子は1990年からのワールドリーグ、女子は93年からのワールドグランプリに代わる大会として2018年に新設した国際大会。男女各18チームが参加し、2組に分かれて3週で1次L計12試合を行う。勝ち点は3―0、3―1で3点、3―2で2点、2―3で1点、1―3、0―3で0点。合計で上位7チームと決勝大会の開催国が8強入り。同大会は女子が23日~27日にポーランド・ウッチ、男子は30日~8月3日に中国・寧波で開催。昨年大会で日本は男女ともに銀メダルを獲得している

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