◆卓球 ◇WTT・USスマッシュ 第9日(12日、米ネバダ州ラスベガス)

 男子シングルス準決勝で、世界ランク4位のエース・張本智和(トヨタ自動車)が同1位の林詩棟(りん・しとう)=中国=をフルゲーム(11―7、11―9、10―12、9―11、7―11、11―5、11―6)の激闘の末に破った。

 第1ゲーム(G)、フォアドライブをクロスに浴びせるなど攻めの姿勢を見せ、ゲームポイントから武器のチキータで先取した。

第2Gもサーブからの展開も効いて2―3から3連続。最後はフォアの強打を連続で打ち込み、先に2Gを連取した。

 しかし第3G中盤に20歳の中国若きエースが息を吹き返す。張本は7―5からタイムアウトを取ったが、さらに失点。10―10まで粘ったが、相手にゲームを取られた。第4G後半から林が襲いかかり、張本は第3Gから3ゲームを連取された。

 だが、2―3の第6Gは中盤以降に脅威のメンタリティーを示す。サービスからの展開、得意のバックドライブも厳しいコースをついて5―5から6連続得点で取り返した。3―3の最終Gは中陣に下がったラリーを制するなど、リズムをつかみ、6―5ではサーブから3球目で力強いフォアドライブをクロスに決め切った。最後は相手の返球が台を越えて、勝利を確信し、頭を抱えた。「ヨッシャー」と右拳を握りながら、ベンチの男子日本代表・岸川聖也監督と歓喜のハグを交わした。

 28年ロサンゼルス五輪に向け、再出発を切った今年は、1月のWTTスターコンテンダー・ドーハ(カタール)、先月のWTTコンテンダー・ザグレブ(クロアチア)で優勝してきた。

現地時間13日の決勝は、準決勝で世界ランク7位のF・ルブラン(フランス)をフルゲームで退けた同2位の王楚欽(おう・そきん)=中国=に挑む。

 女子準決勝では、同種目の日本勢で唯一、4強入りした世界ランク8位の伊藤美誠(スターツ)が元世界ランク1位の朱雨玲(しゅ・うれい)=中国=に2―4(6―11、9―11、11―6、11―4、6―11、8―11)で敗退した。

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