◆大相撲名古屋場所 初日(13日・IGアリーナ)

 草野が新入幕対決を制し、初白星をつかんだ。立ち合いでもろ手で当たり、藤ノ川の体を起こそうとしたが、突っ張り返されて後退。

土俵際まで詰められたが「稽古してるので、どんな体勢でも諦めない」と執念の突き落としで逆転。「危ない相撲だったけど、体を使って勝ちにいった。ホッとした」と胸をなで下ろした。

 春場所で新十両の初日からの連勝記録を塗り替え、14勝1敗。夏場所で2場所連続の十両優勝を飾った。昨年夏場所の初土俵から1年余りで新入幕を果たした“令和の新怪物”。「立ち合いで相手が手が突くのが早いのを忘れていて動揺した」と緊張していたことを明かしたが、幕内の土俵でも底力を示した。

 同じ部屋の尊富士は新入幕で優勝し、伯桜鵬も新入幕場所で優勝争いに絡んでいる。「白星発進できたのでいい流れを作れた。まずは勝ち越して、1つずつ目標をクリアしていきたい」。場所前にまげを結ったばかりの24歳が、兄弟子たちの背中を追いかける。(林 直史)

 ◆草野 直哉(くさの・なおや)2001年6月25日、熊本・宇土市生まれ。

24歳。6歳で相撲を始め、文徳高から日大に進み、23年に学生横綱、世界選手権男子重量級で優勝。卒業後に伊勢ケ浜部屋に入門。24年夏場所に幕下最下位格付け出しで初土俵。新十両の25年春場所は48年ぶりに12日目で優勝を決める。得意は右四つ、寄り。183センチ、151キロ。

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