バレーボールのネーションズリーグ1次リーグ第3週、男子千葉大会が16日に千葉ポートアリーナで開幕する。2028年ロサンゼルス五輪に向けた新体制で、21年東京、24年パリ五輪代表の石川祐希主将(29)=ペルージャ=、高橋藍(らん、23)=サントリー=ら主力が合流し、ロスへの再出発を切る。
石川のロス五輪への挑戦がいよいよ始まる。拠点のイタリアで調整後、5日の沖縄合宿で合流。南国の風を感じながら新チームと顔を合わせた。主将は「大事な大会で表彰台に立つ経験や表彰台を懸けて戦う試合は、間違いなくレベルが高くなる。ロスでメダルを取るために必要なことだと思う。(どの大会も)表彰台に上れるよう僕たちは準備をしていかないといけない」と覚悟を固くした。
東京五輪でフランスを頂点に導いたロラン・ティリ監督が就任。石川はクラブシーズン中から連絡を重ね、主将の打診を受けた。沖縄で会話し「選手としっかりコミュニケーションを取る監督」。指揮官は選手時代にイタリアでプレーした経験から同国語が堪能。意見交換はスムーズだ。
昨夏パリ五輪準々決勝であと1点届かずイタリアに逆転で敗れ涙した。その13日後に「バレーボール極めてきます」と渡欧。前季タイトル4冠の強豪に身を置き、近年は見られなかったアウトサイドヒッターの位置争いも経験。試合に出られない時期もあったが「そこは前提で行った。ストレスはなかった」と信念は揺らがなかった。5月の欧州CL決勝では20得点をたたき出し「誇り」と日本男子初制覇の歴史に名を刻んだ。
シーズン後、ペルージャのA・ロレンツェッティ監督に「フィジカルが弱い」と指摘され、約1か月イタリアに残った。身長192センチのアタッカーは決して高くなく、攻守で高く跳ぶため負担も大きい。石川自身も必要だと感じていた。週に5日のトレーニングで体重は2キロ増。沖縄で再会した藍も「パッと見ても体つきが大きくなっていた」と驚くほど変化した。
1次L第2週を終えて日本は5勝3敗で決勝大会進出圏の4位。
◆石川 祐希(いしかわ・ゆうき)1995年12月11日、愛知・岡崎市生まれ。29歳。小学4年でバレーを始め、愛知・星城高時代に2年連続高校3冠を達成。2014年に中大に進学し、同年に日本代表入り。同8月にセリエAのモデナと契約。同9月の仁川アジア大会で日本代表デビュー。21年に代表主将に就任。
◆ネーションズリーグ 男子は1990年からのワールドリーグに代わる大会として2018年に新設した国際大会。18チームが参加し、2組に分かれて3週で1次L計12試合を行う。勝ち点は3―0、3―1で3点、3―2で2点、2―3で1点、1―3、0―3で0点。開催国と上位7チームが決勝大会(30日~8月3日、中国・寧波)に進む。昨年大会で日本は男女ともに銀メダルを獲得している