第173回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日、都内で行われ、直木賞、芥川賞ともに該当作なしと発表された。

 直木賞は2006年の第136回以来19年ぶり、芥川賞は11年の第145回以来14年ぶりの該当作なし。

両賞とも受賞なしは、1998年の第118回以来27年ぶりで史上6回目になる。

 直木賞選考委員の京極夏彦氏は「大変難しい選考。普通1~2時間、長くて3時間なのに4時間もかかった。そんな長いことはまずない」とし「各作品がかなり拮抗(きっこう)して、1つを選ぶわけにも落とすわけにもいかなかった」と説明。芥川賞選考委員の川上弘美氏は「もう少しココがあればという作品が多かった。もうひと踏ん張りしてほしかった」と指摘した。

 芥川賞には、詩人としても活動する向坂くじらさんの「踊れ、愛より痛いほうへ」など4作がノミネート。直木賞には、元新聞記者・塩田武士さんの「踊りつかれて」、「孤狼の血」で知られる柚月裕子さんの「逃亡者は北へ向かう」など6作が挙がっていた。

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