◆函館2歳S・G3追い切り(16日・函館競馬場)
週末の2重賞の追い切りが16日、各地で行われた。2歳世代最初の重賞、第57回函館2歳S・G3(20日、函館)に挑むブラックチャリスは、現地のWコースで軽快。
明るい将来を予感させる最終デモだった。ブラックチャリスは函館・Wコースで浜中を背にカピオラ(3歳未勝利)を8馬身追走。道中は余力たっぷりに脚を伸ばし、最後の直線でも鞍上の手綱は終始引っ張り通しのまま。5ハロン68秒1―12秒8で1馬身遅れる形でのフィニッシュだった。
遅れはしたが、鞍上の満足な表情が全てを物語っていた。「ラストで気合をつけるかは任せると言われていて、やる必要はないと思ってサラッと。一回使っているし、身のこなしがシャキッとした感じ」と浜中。通算1229勝のダービージョッキーは手綱から伝わる確かな感触から、気合をつけなくても十分とジャッジしたことを明かした。
6月21日に今回と同じ函館・芝1200メートルのデビュー戦を、2歳コースレコード(1分8秒2)で制覇。好位でしっかりと折り合い、逃げ馬をあっさりとパスすると、最後は3馬身差をつけた。強烈なインパクトを残す内容に浜中は「上手に競馬をしてくれて期待通りの走り」。
昨年は同じキタサンブラック産駒のサトノカルナバルがV。6月に顕彰馬に選定されたイクイノックス、日本ダービーで勝ったクロワデュノールなどのG1ウィナーを送り出し、今週のセレクトセールでも“億超え”は18頭と注目度は増すばかりだ。母ゴールドチャリスで2勝を挙げた浜中は「母はキリキリしていたけど、それがない。(キタサンブラック産駒は)メンタルがいい馬が多いと感じます」と父の傾向を分析。自身の同レース3勝目(※)へ、大きな期待を持って臨む。(石行 佑介)
(※)浜中は17年にカシアス、23年にはゼルトザームで函館2歳Sを勝っている。3勝目となれば、東信二元騎手、横山典弘騎手に並ぶ歴代最多タイ。