◆小倉記念・G3追い切り(16日・栗東トレセン)

 週末の2重賞の追い切りが16日、各地で行われた。サマー2000シリーズ第3戦の第61回小倉記念・G3(20日、小倉)で重賞初制覇を目指すハピも、栗東・坂路で元気良く動いた。

 仕掛けてからのギアチェンジが目を引いた。ハピは栗東・坂路を単走で52秒5―12秒2をマーク。ゴール前で軽く仕掛けると回転数が上がり、しっかりと反応して伸びた。夏の暑さのなかでも活気十分。八木助手は「1週前追い切りもいい感じだったけど、今日の坂路でもしっかりと動けている」と笑顔でジャッジした。

 前走の新潟大賞典は10番人気ながら、直線で後方から脚を伸ばして3着に好走した。芝3戦目で初めて馬券圏内に入った。「昨年の大阪―ハンブルクCで、芝でもやれる感触があった」と同助手。そのレースは直線で前が開かず9着。続く天皇賞・春では硬い馬場を気にして競走中止と不運が続いたが、陣営は芝での活躍を諦めてはいなかった。

 直線の長い新潟の外回りから、今回は直線の短い小倉に替わる。「小回りがどうかだけど、やってくれるのでは。

落ち着きも出てきて、いい方に向かっているので」と期待した。開催最終日で外差しが決まるような馬場なら、突き抜けるシーンもありそうだ。

 半弟のアウトレンジは、昨年の浦和記念、今年の平安Sを勝ち、2日の帝王賞でも2着と活躍。「『弟が先に重賞を勝ったぞ』とハピにも言っているんですけどね。ファンも多い馬なので…」と八木助手は笑った。今週がラストの“夏コク”で兄の実力を示し、ファンにハッピーを届けたい。(山下 優)

 ◆ハピのきょうだい 母クイーンパイレーツの産駒は登録されている4頭全て栗東・大久保厩舎に所属。長男で6歳のハピ(父キズナ)は22年のチャンピオンズCで3着など砂で活躍し、芝の重賞の新潟大賞典でも3着の二刀流だ。次男で5歳のアウトレンジ(父レガーロ)はダート重賞を2勝。三男で4歳のリトルハピ(父キズナ)はデビューから3連勝。前走で連勝は止まったが、オープン入りを狙える素質馬だ。昨年6月にハピとリトルハピが併せ馬した際は、SNSで話題を集めた。

4番子で長女のクイーンハピ(3歳未勝利)はキズナ産駒。

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