◆全国高校総体◇陸上(25~29日、広島広域公園陸上競技場)

 静岡生まれの大型スプリンターが、真夏の一大イベントに挑む。静岡高の松下碩斗が男子100メートルで、各ブロックから唯一、1年生で勝ち上がってきた。

「ノンプレッシャーなので気楽に走りたい。秋以降につながる大会にしたいです」。予選突破し、準決勝進出を当面の目標に掲げた。

 中3だった昨秋のU16日本選手権男子150メートルで優勝した実力者。スケールの大きな走りが持ち味で、今年1月には将来の陸上界を背負うアンダー世代の日本代表合宿に招集された。現在、100メートルの自己ベストは10秒65。県総体では4位で突破し、東海総体ではギリギリ6位で全国切符を手に入れた。

 178センチで体重は59キロ。一瞬でパワーを繰り出す短距離選手としては、まだまだ細身。「食が細くて、なかなか太れない」のが目下の悩み。授業の合間に補食するなど食事の回数を増やして、プロテインも摂取するなど体重増に取り組んでいる最中だ。

体力強化が課題 特に、スタミナ不足を痛感した。

総体の勝ち上がりは予選、準決勝、決勝と1日3本を走るため、速さだけでなく精神的にも肉体的にも強さが求められる。大会2日目の100メートルで3本走ったあと、翌日3日目に得意の200メートルで準決勝敗退。「自信があったけど、体がきつかった」。暑さも加わる中、体力強化が今後の課題となる。

 高校に入学してまだ4か月。「1年生で全国総体に出られることは、すごくいい経験になる。3年で全国制覇できるように今、何が足りないか、見つける大会にしたい」。無限の可能性を秘めた陸上界期待の快速男が、全国の猛者に胸を借りる。(塩沢 武士)

 ◆松下 碩斗(まつした・せきと)2009年12月1日、静岡県出身。15歳。幼稚園年長から陸上を始めた。趣味は音楽鑑賞。

家族は両親と兄、姉。178センチ、59キロ。

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