◆全国高校総体◇バスケットボール(7月26~8月1日・ジップアリーナ岡山)

 4年連続15回目出場の藤枝明誠が、県勢男子初の日本一を狙う。2年生で主将を務める渡辺聖(せな)がチームを引っ張る。

6月の東海総体では強力なディフェンスから走るバスケで優勝を飾った。2回戦から登場で初戦は、北陸学院(石川)と八戸学院光星(青森)の勝者と対戦。金本鷹(よう)監督(34)が「総合力では過去一番」と自信を見せる選手層で、2013年の準優勝を超えて初の頂点へ駆け上がる。

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 全国制覇を目指す藤枝明誠の2年生主将が、存在感を示す。「コートで学年は関係ない。プレー以外でも常に見られているし、選手に言う以上、自分が行動で表さないといけない」。渡辺はゲームキャプテンとして、先頭に立ってチームを引っ張っている。

 東海新人が終わってからはPGに転向した。積極的にシュートを放つSGから試合をつくる司令塔に役割が変わった。「もっと周りを生かすことを意識している」。ポジション変更、先輩がいる中での主将の肩書。自分のことで手いっぱいの状況ながらもチームづくりに着手して半年。

金本監督も「だいぶ成長してきた」と評価する。

 東海総体では圧倒的な力を見せつけた。準決勝は高山西(岐阜)に88―44で快勝、決勝は中部第一(愛知)を83―47で撃破した。2戦とも失点は40点台と自慢の強力ディフェンスが機能。「『挑戦者』というマインド設定がうまくいった。全国ではあの時以上の気持ちをつくれれば、どこにも負けない」と、2年生主将は胸を張った。

 総合力では全国屈指だ。東海総体では、スタメンだけでなく、5人総入れ替えのセカンドユニットで県外チームと戦える実力を証明した。指揮官は「(1試合)40分では足りないぐらいの選手層になってきた」と手応えをつかんでいる。4年連続の全国総体だが、過去3年と比較しても「到達点では一番高い」と自信をのぞかせる。

 順当に勝ち上がれば、準決勝でV候補の福岡大大濠との対戦が濃厚だ。東海制覇で静岡にウィンター杯の出場枠が1つ増えた。

全国で決勝に進出すれば、もう1枠プラスされる。「県代表として頑張りたい。静岡のバスケを盛り上げるために優勝したい」と、渡辺は力こぶ。県内他校の仲間からのエールも力に、明誠が全国の頂に挑む。(塩沢 武士)

  〇…強豪・明誠で1年生ながらスタメンに名を連ねるのがSF福本彩人だ。「オールラウンドにできるところが自分の武器」と自己分析。兵庫の強豪クラブ・ゴッドドア出身で、エースのSG野津洸創(たけぞう、3年)の2つ後輩にあたる。金本監督は「どこにチャンスがあるか、しっかりした目を持っている」と評価。バレーボール日本代表の高橋藍(23)に似た容姿で「たまに言われます」という大型ルーキーがチームの起爆剤になる。

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