◆全国高校総体◇バスケットボール(7月26~8月1日・ジップアリーナ岡山)
4年連続15回目出場の藤枝明誠が、県勢男子初の日本一を狙う。2年生で主将を務める渡辺聖(せな)がチームを引っ張る。
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全国制覇を目指す藤枝明誠の2年生主将が、存在感を示す。「コートで学年は関係ない。プレー以外でも常に見られているし、選手に言う以上、自分が行動で表さないといけない」。渡辺はゲームキャプテンとして、先頭に立ってチームを引っ張っている。
東海新人が終わってからはPGに転向した。積極的にシュートを放つSGから試合をつくる司令塔に役割が変わった。「もっと周りを生かすことを意識している」。ポジション変更、先輩がいる中での主将の肩書。自分のことで手いっぱいの状況ながらもチームづくりに着手して半年。
東海総体では圧倒的な力を見せつけた。準決勝は高山西(岐阜)に88―44で快勝、決勝は中部第一(愛知)を83―47で撃破した。2戦とも失点は40点台と自慢の強力ディフェンスが機能。「『挑戦者』というマインド設定がうまくいった。全国ではあの時以上の気持ちをつくれれば、どこにも負けない」と、2年生主将は胸を張った。
総合力では全国屈指だ。東海総体では、スタメンだけでなく、5人総入れ替えのセカンドユニットで県外チームと戦える実力を証明した。指揮官は「(1試合)40分では足りないぐらいの選手層になってきた」と手応えをつかんでいる。4年連続の全国総体だが、過去3年と比較しても「到達点では一番高い」と自信をのぞかせる。
順当に勝ち上がれば、準決勝でV候補の福岡大大濠との対戦が濃厚だ。東海制覇で静岡にウィンター杯の出場枠が1つ増えた。
〇…強豪・明誠で1年生ながらスタメンに名を連ねるのがSF福本彩人だ。「オールラウンドにできるところが自分の武器」と自己分析。兵庫の強豪クラブ・ゴッドドア出身で、エースのSG野津洸創(たけぞう、3年)の2つ後輩にあたる。金本監督は「どこにチャンスがあるか、しっかりした目を持っている」と評価。バレーボール日本代表の高橋藍(23)に似た容姿で「たまに言われます」という大型ルーキーがチームの起爆剤になる。