◇プロボクシング▽WBA世界ライトフライ級(48・9キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者エリック・ロサ―同級1位・高見亨介(30日・横浜BUNTAI)

 日本ライトフライ級王者でWBA世界同級1位・高見亨介(23)=帝拳、9戦全勝7KO=が18日、東京・神楽坂の所属ジムで、世界初挑戦に向けての練習を公開した。同門で高校の先輩でもある日本ミニマム級王者・松本流星(27)との2ラウンドのスパーリングでは、試合まで2週間を切り、減量のためコンディションは万全とはいかないが、スピードと切れ味抜群のパンチを披露。

特に目立ったのは左右のボディーだ。

 「ボディーがカギになると思う。相手の足を止めることもできるし、効かせる自信もある」と言い切る。チャンピオンのエリック・ロサ(25)=ドミニカ共和国、8戦全勝2KO=は2階級制覇を達成したテクニシャン。「序盤、中盤と足を使ってポイントを稼ぎ、その貯金でズルズル勝ちきるタイプ。ディフェンスもうまい」と警戒する。そんな相手を仕留めるには「ボディーから」と重点的に練習を重ねた。過去にもボディー一発で相手をキャンバスに沈めた経験もある。「プロ10戦目での世界挑戦。自分のボクシング人生の分岐点になる。6ラウンドぐらいに仕留めたい」と下(ボディー)から弱らせ、仕留める自信をみせる。

 それでも現実の世界。

思い描いた結末になる保証はどこにもない。相手は世界チャンピオン、簡単に仕留められるとも思わない。「自分にとっては初の12ラウンド。スタミナ面の強化は徹底してやってきた」という。長いラウンドのスパーリング以外には坂道、1キロダッシュ、10キロ走と3つのメニューを週3回行い足腰を強化。「長丁場(12ラウンド)になっても、最後まで手数を出し切るスタミナを強化した」といかなる状況にも対応できるように準備した。

 幼稚園の年長でキックボクシングを始め、小学校2年からボクシングに転向。中学1年から帝拳ジムに通い、23歳ながらジム歴は10年になる。スピードがあり、パンチはライトフライ級とは思えないほどのパワーを誇る。「注目されればされるほど力を発揮する」と自身を自己分析する。リング上でフルパワーのミット打ちを披露すると、大声で言った。

 「終わらせて下さい。

張り切り過ぎました」

 最後は報道陣の笑いを誘い終了。一貫して大物ぶりをうかがわせる内容だった。(近藤 英一)

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