NAR(地方競馬全国協会)は18日、令和7年度第1回調教師、騎手免許試験の合格者を発表した。兵庫競馬生え抜きとしては史上最多となる地方通算4745勝を挙げている田中学(たなか・まなぶ)騎手(51)=西脇・田中道夫厩舎所属=が調教師試験に合格。

8月1日付で調教師免許が交付され、騎手を引退することになり、同日会見を開いた。

 23年11月、JRAのジャパンCに騎乗予定をキャンセルし、その後一度も騎乗することなく、騎手を引退することになった。復帰を目指していたが、持病の腰痛に加え足のしびれもあり2度の手術をしたが治らず、万全の状態で騎乗するのは困難と判断。調教師の道に進むことにした。「これまでは騎乗できない時は乗りたいという気持ちがあったが、この1年は違う視点で見てしまう自分がいた。気持ちが負けてしまった」と胸中を話した田中。

 “園田の帝王”と呼ばれ一時代を築いた父、道夫・現調教師の背中を追うように1993年にデビュー。ダートグレードレースを3勝、重賞は80勝と父以上の活躍を見せた。「人や馬に恵まれた騎手人生で悔いはないが、(ジャパンC)騎乗キャンセルという形ではなく、格好良く終わりたかった」と本音もちらり。残る2週間で騎乗することについては「考えている」と含みをもたせた。

 今後は厩舎開業に向け忙しい日々を送ることになるが「甘くはないと分かっているが、スタッフと和気あいあいとした、どこにいても誇れる厩舎を目指す」と目を輝かせた。

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