プロボクシング第6代日本女子アトム級王座のモンブランみき(32)=一力=が18日、出身地である東京・墨田区の山本亨区長を表敬訪問し、4月30日の王座決定戦(後楽園ホール)での悲願初戴冠を報告した。元自衛官でコスプレボクサーとして注目のモンブランは、9月29日に予定されている同級2位・宗利佳歩(28)=RST=との初防衛戦(同)に向け「勝てば世界が見えてくる」と意気込んだ。
モンブランにとっては6度目の挑戦でのベルト奪取。山本区長から「すごいこと。ハートが本当に強い。あきらめない根性もすごい」と称賛されると、照れながら「恥ずかしいです。もう何回も辞めようと。(3年前に)1回引退もしたので」。9年前に陸上自衛隊に入隊。航空科に所属して立川駐屯地で輸送機の整備を担当しながら、体力をつけるためにジムでボクシングを本格的に始め、のめり込んだ。思い出づくりでプロテストを受け、落ちたことで火が付いた。
「どんどんはまっていって試合もやりたくなって。練習している時は次で辞めようと毎回思うけれど、試合が終わるともう1回やりたいというか。勝つと嬉しくてまたやりたいし、負けると悔しくて辞められない」。
ふだんの穏やかな笑顔とは対照的に、リング上ではパワーボクシングでガチンコ勝負を挑むギャップが魅力。デビュー3戦目から母・尊子さん手作りのコスチュームでリングに上がるのもトレードマークだ。ベルト奪取の試合では映画「ウィキッドふたりの魔女」のグリンダ役を演じたアリアナ・グランデのコスプレ姿を披露し、これまでに美少女戦士セーラームーンや「うる星やつら」のラムちゃん、ミニオンズなど七変化で登場して話題を集めている。
次戦となる初の防衛戦に向けて「勝ったら世界ランキングに入れると思うので、もう大きなチャンス。東洋とか世界とかも見えてくる。違うベルト取りたいなって思いますね。上のベルトが欲しい」とモンブラン。山本区長も「すみだの夢、実現ですね。区をあげて応援していきた」と熱いエールを送った。