アジアのメダリストが高校最高峰の大会に挑む。9日にキルギスで行われたU20アジア選手権グレコローマンスタイル55キロ級で3位に入った本多正虎(静岡・飛龍3年)が、帰国後初戦のマットに上がる。
初の海外で結果を残し「挑戦者の気持ちだった。正直メダルが取れると思ってなかったので、自信がつきました」と胸を張った。U20のカテゴリーで大学生世代にまじっての表彰台だけに、価値はある。
国内の大会では銀メダルが続いている。昨夏の全国高校生グレコローマン選手権、昨秋の国スポとも準優勝に終わった。今年に入っても全国高校選抜、JOCジュニア五輪と、あと一歩で涙をのんだ。「最後の最後で技をかける勇気がなかった」と、大事な決勝で弱気になった自分を反省した。
減量方法を変えた。普段の体重は58キロで、55キロ級に出場するため3キロほど減らす。これまでは「最短4日ぐらいで一気に落としていた」が、アジア選手権では3週間ほどかけて減らした。
今大会は表彰台のてっぺんしか見ていない。「2位と3位は取ったので、もう優勝しかないです」。得意技の片足タックルで、今度こそ金メダルを首にかける。(塩沢 武士)
◆本多 正虎(ほんだ・まさとら)2007年4月5日、神奈川・横須賀市生まれ。18歳。3歳でレスリングを始めた。家族は両親と姉、弟。166センチ、58キロ。