バレーボール女子の札幌大谷が、7年ぶりの舞台を明るさ全開で戦い抜く。緒方正広監督(56)が就任した2018年以来の全国高校総体へ、自校の体育館で練習する選手の顔には笑みが絶えない。

岩崎佑音(ゆね)主将(3年)は「粘り強くて、笑顔を大事にしてるチーム。そこを発揮できたことが勝ちにつながった」と持ち味を強調した。

 東海大四で87年に全国3冠を達成した緒方監督が掲げる方針は「選手ファースト」。夏場は大きな氷を用意して練習の合間に手足の末端を冷やし、休息は率先して入れる。「疲れている状態では集中力に欠け、けがにつながる」と状態への気配りは欠かさない。1対1の対話も対等の立場で、選手の考えに耳を傾ける。「やらされるのではなく、自分たちでやるバレー。普段から考えていないと追い込まれた時など『負けたらどうしよう』となってしまう」。指揮官の教えの浸透が、笑顔の根底にある。

 札幌大谷中から高校に進んだ選手がほとんどの中、明るい雰囲気にひかれて栗沢中から入学したエースの竹原優里奈(3年)は、道予選を制した要因を「どのチームよりも私たちが一番バレーを楽しんでいたことが大きかった」とうなずく。その姿勢は、8月6日の岐阜第一との初戦から押し出す。岩崎主将は「大谷らしい笑顔のプレーをしてメダルを取りたい」と初の表彰台を目標に掲げた。

緒方監督も「竹原というエースもいるし、バランスの取れたチーム」と手応えを感じる21人で、新たな歴史を築きにいく。(砂田 秀人)

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