シンガー・ソングライターの遼のソロプロジェクト・Little Black Dress(LBD)が、23日にメジャー初アルバム「AVANTGARDE」をリリースする。

 2019年にシングル「双六/優しさが刺となる前に」でインディーズデビュー。

24年11月にキングレコードに移籍した。今作には「アヴァンギャルド」、足立梨花主演のテレビ東京系ドラマ「マイ・ワンナイト・ルール」の主題歌「PLAY GIRL」など7曲が収録され、全楽曲の作詞・作曲を担当した。

 デビュー6年目、メジャー初アルバムのリリースに「メジャーレーベルからのリリースで、たくさんの人が関わってくださっている。すごくありがたい。感謝、感謝ですね」としみじみ。「待っていてくださったファンの方が、『ようやくだね』って声をかけてくださって。ありがとうございますという気持ちと、ここからスタートだという思いですね。社会で戦うすべての方に、少しでも何かを感じてもらえたらうれしいです」と身を引き締める。自身のCDが全国の音楽ショップに並ぶのは初めての経験。「どんな感じなんだろうな。楽しみですね。自分でもお店に行こうと思います」と声を弾ませた。

 2016年春に上京した。「早い…。早いですね」。ここまで9年、LBDなりに悩み、苦しみ、もがき、その度に気持ちを昇華させてきた。「どんな出来事も鮮明に絵が浮かんできます。強くもなったし、逆に弱くなった部分もあるし。いろいろな自分を経験させていただきましたし、いろいろなものをこの10年で見られた気がします」

 アルバムの中で思い入れが強いのが「十人十色」。上京して初めて書いた曲で、LBDの音楽活動の原点とも呼べる「MISIA CANDLE NIGHT」(奈良・春日大社)のオープニングアクトとして初披露したナンバーでもある。

 「いわゆる上京ソング。いつのタイミングで入れるか、ずっと迷っていた。ただ、東京で生きていく自信がない中でリリースするのは腑(ふ)に落ちなかった」と説明。アルバム収録にあたり、曲の最後に「私は私を 好きなだけ生きる この街で もう戻らない」という歌詞を加えた。

「自分の中で、何かしらの決意ができた表れかな。(作ってから)10年越しぐらいでリリースできた。そういう意味では感慨深いです」

 夢や目標については「未来を想像しすぎても不安になる。(最近は)『今を楽しむ』をモットーにしています」と明かす。「実は、この6年で28曲しか世に出せていない。たくさん曲を作ってもっと出さなきゃなと思います」。下半期はアウトプットの日々になりそうだ。(加茂 伸太郎)

 〇…LBDは23日に東京・タワーレコード池袋店、26日に故郷の岡山・倉敷市のアリオ倉敷で発売イベントを行う。「アリオ倉敷は青春を過ごした場所。学生時代、電車とバスを乗り継いで行っていたところに自分のCDが並ぶのか~と思うと、感慨深いです」と喜びもひとしお。「インストアイベント自体が初めてなので、緊張しますね」と話した。

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