俳優・吉沢亮の主演映画「国宝」(李相日監督)が21日までの公開46日間で観客動員486万5642人、興行収入68億5464万9900円を記録したと22日、東宝が発表した。第50回トロント国際映画祭のSpecial Presentation部門正式出品も決定した。
任侠(にんきょう)の家に生まれた立花喜久雄が上方の大物歌舞伎俳優に引き取られ、女形の歌舞伎俳優として芸に生涯をささげる物語。公開7週目となっても勢いは衰えない。中村鴈治郎らの指導を受け、1年半の猛特訓で歌舞伎を習得した吉沢、横浜流星らの熱演など、完成度の高さが証明された形だ。
カンヌ国際映画祭監督週間、上海国際映画祭でも上映され、ニュージーランド国際映画祭Visions部門への正式出品も決定。「国宝」旋風は世界に広がっている。
トロント国際映画祭は、1976年から開催され、世界最大級の映画市場である北米に欠かせない映画祭。例年300本以上の作品が上映され、70万人が来場する北米最大の映画祭。米アカデミー賞の前哨戦としても知られる。李監督作品では、2006年の「フラガール」、13年の「許されざる者」、16年の「怒り」も出品されている。