洋楽ロックの専門雑誌「ロッキング・オン」を創刊した音楽評論家の渋谷陽一さんが、14日に誤嚥性肺炎のため死去したことが22日、分かった。74歳。
同社の公式サイトによると、渋谷さんは2023年11月に脳出血を発症し緊急入院し、手術後は療養を続けながらリハビリに取り組んでいた。今年に入り誤嚥性肺炎を併発したという。
東京都生まれで、明治学院大中退後の1972年に20歳で「ロッキング・オン」を創刊。86年には邦楽ロックを扱う「ロッキング・オン・ジャパン」を創刊し、いずれも日本を代表する音楽雑誌に成長させた。
英ロックバンド「レッド・ツェッペリン」を広く紹介したことで知られ、ラジオDJとしても活躍。同世代の伊藤政則氏や大貫憲章氏と並んで「日本3大ロック評論家」と称された。Perfumeなど日本国内のアーティストもジャンルを超えて取り上げ続けた。
2000年からは、現在も続く人気音楽イベント「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」を主催するなど、フェスのプロデューサーとしても活動した。06年にはスポーツ報知の取材に、自身を「日本で一番ライブを見て、一番音楽を聴いてる客のプロ」と表現。フェスの展開について「主役であるファンが、いかに楽しく参加できるか。
◆渋谷 陽一(しぶや・よういち)1951年6月9日、東京都生まれ。学生時代から音楽雑誌に寄稿し、明治学院大中退後の72年に「ロッキング・オン」を創刊。音楽評論の傍ら、同グループの代表取締役社長や会長を歴任した。「ロックはどうして時代から逃れられないのか」「40過ぎてからのロック」「ロック大教典」など著書多数。