◆プロボクシング▽WBC・WBA世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマッチ12回戦 寺地拳四朗―リカルド・サンドバル(7月30日、横浜BUNTAI)

 WBC&WBA世界フライ級統一王者・寺地拳四朗(33)=BMB=に挑戦するWBC2位、WBA3位のリカルド・サンドバル(26)=米国=が24日、横浜市の横浜光ジムで練習を公開した。

 米専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)で9位につける2団体統一王者の寺地に対し、サンドバルは「ずっと待っていたタイトルマッチで一気にベルトを取れるチャンスになった。

寺地は2階級制覇もしており、PFPのリストに君臨する素晴らしい選手だが、彼が手にしているものを全て奪い取る気持ちでここに来ている」と2本のベルト奪取に意欲。

 さらには「ここでまずは2団体のチャンピオンになって、そこからは統一戦もやっていきたい。アンディスピューテッドチャンピオン(4団体統一王者)になって、ゆくゆくは115ポンド(スーパーフライ級)でも同じことをしていきたい」と大きな野望を口にした。

 この日はシャドーボクシング、2ラウンドのミット打ち、サンドバッグ打ちを披露した。寺地戦へ向け、元世界ミドル級3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)も拠点としていた米カリフォルニア州ビッグベアで初めて合宿を敢行。「ビッグマッチが決まったらビッグベアでやりたいと話していた。静かな環境で1か月間、寝て、起きて、練習して、の繰り返しでトレーニングに集中して、標高の高いところで体を作ることができた」と成果を強調した。

 寺地戦へ向け「トレーニングキャンプ中から考えている戦略がある。その戦略に沿った試合をする」と話し、「自分はもともとエキサイティングなスタイルで知られている。この試合でも人々をワクワクさせるような試合を見せたい。火花の散るような激しい試合を期待してほしい」と打撃戦を予告した。

 サンドバルは22年7月、現WBAスーパーフライ級暫定王者デビッド・ヒメネス(コスタリカ)に0―2の僅差判定で敗れたが、昨年7月にアンヘル・アコスタ(プエルトリコ)を10回KOで下してWBC同級シルバー王座を獲得。

今年2月の前戦ではサレト・ヘンダーソン(米国)に判定勝ちするなど6連勝中だ。

 童顔で体が小さいことから、「エルニーニョ(英語でザ・キッド)」の愛称を持つ。寺地とは“ベビーフェース対決”としても注目されていることに「体格も小さくかわいらしい2人が、あんなにパンチを出して殴り合いをするんだというところを見て欲しい」と笑顔で話した。

 練習を視察した加藤健太トレーナー(39)は「好青年で真面目そうな印象。思っていたより小さかったがその分(体格が)しっかりしている」とコメント。また、サンドバルの「火花の散るような激しい試合を」との発言を引き合いに「ちょっと好戦的な部分もあると思うんでそこら辺は警戒して、火花が散らないようにしたい。試合展開によると思うんですけど、火花を吹き消すのか、そもそも散らさないようにするのか、試合の中での展開によると思う」と話した。

 戦績は、寺地が25勝(16KO)1敗、サンドバルが26勝(18KO)2敗。

 試合はU―NEXTでライブ配信される。

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