◇女子プロゴルフツアー 大東建託・いい部屋ネットレディス 第3日(26日、福岡・ザ・クイーンズヒルGC=6503ヤード、パー72)
ツアー3勝で2児の母、一ノ瀬優希(36)=フリー=が1イーグル、3バーディー、ボギーなしの67をマークし通算11アンダーの首位に浮上した。男子ツアー2勝の夫・谷口拓也(45)がキャディーとしてサポート。
一ノ瀬の気合を乗せて、球はピンへ向かった。6番パー5。残り211ヤードから7ウッドで放った第2打は、カップをかすめた。アルバトロス寸前の一打で奥2メートルに運び、イーグルで加速した。「調子がスコアに出ている。旦那のアドバイスのおかげで落ち着いてゴルフができている」。17年日本女子プロ選手権初日以来8年ぶりの首位に立った。
前のめりになる一ノ瀬を制御してくれたのは、谷口だった。「前の組もいるし後ろも来ていないんだから、もう少しゆっくりやったら?」。ラフからの番手選びも的確。グリーン上では自信満々でラインを読んでくれる。
結婚翌年の20年に長女、昨年5月に長男を出産した。子育ての日常が、肉体改造を生んだ。「常に抱っこだから。プラス荷物も背負って。トレーニングよりきつい。それが毎日だから」。自然と上半身が鍛えられ、飛距離は20代の頃より5ヤード以上も伸びた。前週の下部ツアー「あおもりレディス」を制するなど、36歳のゴルフは今、輝きを増している。
福岡県内の自宅から車で10分の所に住む母に、大会中は子どもを預けている。開幕前だった。
◆一ノ瀬 優希(いちのせ・ゆうき)1988年10月5日、熊本市生まれ。36歳。2007年7月のプロテストで一発合格。同年、新人戦の加賀電子カップで優勝。13年のTポイントレディスでツアー初V。14年はヨコハマタイヤPRGRレディス、サイバーエージェントレディスで2勝。158センチ、54キロ。