◆バレーボール ▽ネーションズリーグ(NL)女子決勝大会 日本2―3ブラジル(26日、ポーランド・ウッチ)
準決勝が行われ、昨年大会銀メダルで世界ランク4位の日本は、昨夏のパリ五輪銅メダルで同2位のブラジルにフルセットの激闘の末に敗れた。2大会連続の決勝進出は逃し、3位決定戦に回った。
過去の対戦で46勝96敗。昨年大会の準決勝と同カードとなった。前回は日本がブラジルをフルセットで破って決勝に進んでいた。第1セット(S)はセッター関菜々巳、対角に得点源の和田由紀子、アウトサイドヒッター(OH)石川、佐藤淑乃、ミドルブロッカー(MB)島村春世、宮部藍梨、リベロ小島満菜美が先発し、相手サーブからスタート。石川がサービスエースを決めるなど、日本は攻めのサーブで相手を崩して流れをつかみ、セット中盤までリードを広げた。
しかしブラジルは絶対的エースの「ガビ」ことガブリエラ・ギマラエスにトスを集め、19―15から5連続得点で逆転。それでも日本は長いラリーを制するなど、終盤に粘りを見せて先にセットポイントを握ると、最後は和田がライトからスパイクを決めて、第1Sを先取した。
第2Sは6―5から関が右手を伸ばしてボールの下に入れて拾う“パンケーキレシーブ”から和田が体勢を崩しながら決めていったが、判定の末、関のレシーブがフロアタッチを取られた。中盤以降、ブラジルが強打で流れをつかみ、ガビのスパイクでセットポイントを握ってセットを取り返し、1―1となった。
第3Sは競り合いからブラジルがガビ、身長191センチのベルグマンのレフトからのスパイクで得点を重ねた。サーブで攻められた終盤、日本は本職リベロで決勝大会はOH登録の岩沢実育を後衛に入れて、守りを強化したが、2Sを連取された。
1―2で後がなくなった第4Sは、MBに23歳の荒木彩花を起用。トレードマークのゴーグルをつけて前衛に入り、いきなりブロック得点。仕事人は3―3からクイックも決め、流れをつくった。リベロ福留慧美も相手の力強いスパイクをスーパーレシーブし、佐藤の攻撃につなげるなど日本らしい戦い方も見せた。終盤に3連続失点の後、佐藤のスパイクが決まって悪い流れをたち切り、21―19から和田がベルグマンのスパイクをブロックでシャットアウト。最後は石川が強打を決めて、最終Sに持ち込んだ。
勝負の最終Sは、ベルグマンのスパイク、ガビのバックアタックなどで、ブラジルが0―1から4連続得点。日本のフェルハト・アクバシュ監督はたまらずタイムアウトを取った。劣勢から頼れる主将・石川がスパイクを決めたが、日本は相手のサーブからの展開で攻められ、力尽きた。
準決勝の世界ランク1位のイタリアと同3位のポーランドの一戦は、イタリアがストレート勝ちで決勝進出した。日本は2大会連続の表彰台となる銅メダルを懸け、日本時間27日午後11時からアウェーで強敵・ポーランドに挑む。ブラジル戦でチーム最多20得点を挙げた和田は「もう一回気持ちを切り替えて、今日良かったところを見つけ出して、明日(27日は)は自分たちのいいバレーを全員でできたらいいと思います」と顔を上げた。