ノルディックスキーのサンピラー国体記念サマージャンプ大会が27日、北海道名寄市のピヤシリシャンツェで行われた。試合前、1998年長野五輪金メダリストで雪印メグミルクの岡部孝信総監督が、7月1日に亡くなった所属選手の坂野旭飛さん(享年19歳)について語った。
坂野さんは札幌市内のビルから転落し死去した。岡部氏は「多くの方々にご支援、ご配慮をいただき、ありがとうございました。事故当時は弊社関係者は同行しておらず、警察からは事件性がないとの報告を受けています」と説明。坂野さんの体内からアルコール成分が検出されたことに「これを厳粛に受け止め、チームスタッフ、スキー部の活動を一定期間控え、謹慎しておりました。現在は通常に戻っており、今後は社内研修や安全教育などを徹底し、管理体制の見直しなども含め、再発防止に取り組んでいきます」と陳謝した。
生前の坂野さんについて「坂野選手の笑顔はとても印象的でした。その明るい性格と笑顔で、チームの中心的存在でした」と声を詰まらせ「周囲からも深く愛されていて、チーム一同、いまだに深い悲しみと喪失感の中にいます」と大粒の涙を流した。
坂野さん死去後初のジャンプ大会に、岡部氏は「旭飛はいませんけど…、チーム一同、坂野選手の志を胸に今後も競技に全力で取り組んでいきたいと思っています」と心構えを語り、取材対応を終えた。
今大会は男子の佐藤幸椰が2連覇し、2位に佐藤慧一、3位に小林朔太郎が入り表彰台を独占した。女子は今年4月に入部した一戸くる実が初優勝を飾り、チームとして初の男女アベックVを果たした。