◆卓球 ノジマTリーグ(27日、東京・国立代々木第二体育館)

 女子開幕戦が行われ、2季ぶりの優勝を狙う日本生命が、初Vを目指す日本ペイントを3―1で破り、白星発進した。昨夏のパリ五輪銅メダルで今季新主将に就任した早田ひな(24)が世界ツアー転戦のため開幕戦は不在。

エースを欠く中、2勝1敗で迎えた第4試合のシングルスで赤江夏星(かほ、21)が、日本ペイント・青木咲智(18)に競り勝って試合を決めた。

 新主将の思いも背負って、日本生命・赤江が開幕戦勝利に導いた。2―0から日本ペイント・青木に粘られ、臨んだ最終ゲーム。マッチポイントから右腕を振り切るフォアドライブをたたき込んだ。ベンチの仲間に向かって左拳を握り、会場に集まった2289人の歓声を心地よさそうに浴びた。21歳の新鋭は「チームが開幕戦でいいスタートを切れたのが一番」と胸を張った。

 期するものがあった。今季から主将を務めるエース・早田が、同時期の世界ツアー出場のため開幕戦を欠場した。赤江は「エースの早田さんがいない時、エースの自覚を持つと決めた」と奮起。そして2勝1敗の大事な場面で出番がきた。3年前の敗戦から苦手意識もちらついた青木戦だったが、「弱気になって諦めそうになったけど、私はチームを背負っているんだ」と自らを奮い立たせ、接戦をものにした。

 3月の昨季プレーオフで敗退後、世界ツアーでも結果が出なかった。

「何かを変えないと勝てない」と自問自答。拠点の大阪から車で約1時間の兵庫の実家では犬(チワワとトイプードルのミックス)を飼っている。愛くるしいペットに救いを求めた。「もうすぐ1歳のルナちゃんと遊んで卓球を一度忘れる」とメリハリをつけ、プレーの成長のきっかけもつかみつつある。

 日本生命はリーグ発足初年度から5度の優勝を誇る強豪。だが、左腕負傷の早田の離脱があった昨季は、レギュラーシーズン、プレーオフともに3位に終わった。「昨季までは、負けている時に『早田さんお願いします』でした。でも、今季は上位チームにプラスして早田さんがいる、強いチームになる」と宣言。若き主力が、2季ぶりの頂点を目指す。(宮下 京香)

 ◆赤江 夏星(あかえ・かほ)2004年7月3日、兵庫県出身。21歳。大阪・香ケ丘リベルテ高卒。

5歳から競技を始める。戦型は右シェークドライブ。22年アジアユース選手権女子ダブルス優勝。24年全日本選手権シングルス3位。世界ランクは86位が過去最高。背番号は15。160センチ。

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