日本ゴルフツアー機構(JGTO)が28日、都内で理事会を行い、全国で出没情報が相次いでいるクマ対策について協議された。
今月16日には、国内女子ツアーの明治安田レディスの開幕前日に会場の宮城・富谷市の仙台クラシックGCでクマの目撃情報があった。
一方、JGTOによると、今月2~4日の下部ツアー・南秋田カントリークラブみちのくチャレンジトーナメントではクマが出没していたことが判明した。広報担当者は「クマが走ってる姿を見たと、ボランティアスタッフや選手から情報があった。競技員や運営関係者が周辺を確認し、クマがいないという認識のもとで競技を続行させた」と明かした。
倉本昌弘副会長が理事会後に取材に応じ、JGTOではクマ対策のガイドラインを更新したと明かした。事前対策として、コース全体をフェンスなどで覆う、ラジオや音が鳴るものをフェンス周辺に置く、猟友会や自治体と連携すること、クマが出没した時の中断、再開の方法や人員の配置などが明記されている。さらに、運動会などに使用するスターターピストルを競技員全員が常備することなどが新たに盛り込まれた。今後、大会の主催企業などにガイドラインを共有していく。
女子ツアーの大会を主催するJLPGAと違い、男子ツアーは各大会の主催企業がおり、JGTOは主管の立場にある。倉本副会長は「我々の主催はツアー選手権くらいしかない。我々は主催でなく主管なので、(中止や無観客開催などを)決める権利もない。主催者と協議する方向になる」と方針を示した。
男子ツアーは、31日開幕のリシャール・ミル・チャリティー(石川・能登CC)で約1か月ぶりに再開する。石川県では5月に女子下部ツアーでクマが出没し、競技を中止した経緯もある。倉本副会長は「女子の方は、女子の考え方があると思う。我々は主催者と協議をしていく」と話した。