日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)が28日、東京・両国国技館で開かれ、大島理森(ただもり)委員長が会見した。27日に千秋楽を迎えた名古屋場所は琴勝峰(佐渡ケ嶽)が史上38度目の平幕Vを飾った。

一方で豊昇龍、大の里の両横綱に対して「“大豊時代”来たるという期待で今場所が始まった。その期待に応えられなかった結果を生んだことは横審そろって残念至極」と苦言を呈した。

 名古屋場所は大の里が新横綱に昇進し、約4年ぶりに番付の東西に横綱が並んだ。両横綱を中心とした“大豊時代”を期待する声もあったが、豊昇龍は左足親指のけがで5日目に休場。大の里は11勝を挙げたものの、千秋楽まで優勝争いに絡むことができず、昭和以降の新横綱で単独ワースト記録となる4個の金星を配給した。

 大島委員長は大の里について「出足は誠に強い姿をお見せいただいた。しかし中盤あたりから、言われる悪い癖が出てしまった。新横綱の重圧があったとは思いますが、いい経験をされて、来場所また頑張っていただきたい」と期待した。

 昇進3場所で2度目の休場となった豊昇龍に関しては「横綱として風格ある姿、結果を残せるように稽古に励んでいただきたい」と要望。秋場所(9月14日初日・両国国技館)に向け「重み、責任、緊張感のある両横綱になってほしい。2人の横綱が優勝戦線の最後の土俵の上で、力強い相撲の対決を見たいもんだというのは、どなたでも考えることじゃないか」と奮起を促した。

 琴勝峰や若手、ベテラン勢の奮闘は高く評価した。

琴勝峰を「見事な優勝。慌てることなく風格のある相撲を取られた」と称賛。草野、安青錦、伯桜鵬の名前も挙げ「あっぱれな相撲を見せていただいた。若手の皆様方が挑む姿は名古屋場所を盛り上げた」。最年長金星の40歳・玉鷲、35歳の小結・高安にも言及し「40歳になる玉鷲関が立派な結果を生んでいる姿を見て感動した。高安関も頑張っている。若手の皆様方も、その姿を学んで頑張っていただきたい」と期待を寄せた。

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