◆陸上 全国高校総体 第4日(28日、ホットスタッフフィールド広島)

 男子200メートルのタイムレース決勝が行われ、26日の100メートル決勝を今季日本人最速の10秒00で制した星稜高の清水空跳(そらと、2年)が第1組で走り、追い風参考記録の20秒39(追い風2・7メートル)で優勝。2冠に輝いた。

公式記録と認められるのは追い風2・0メートルで、今回は参考記録ながらも、日本高校歴代2位相当の好記録。「100メートルと200メートルで2冠をすることが目標だったので、それを達成できて本当にうれしいです。追い風参考にはなっちゃったんですけど、高校記録に迫る記録を出すことができて、うれしく思っています」とすがすがしい表情で話した。

 今大会には、父・正雄さん、母・絵美さん、姉・優奈さんも応援に駆けつけた。レース後はリラックスした表情で家族に2冠を報告した清水。息子の大快挙を受け、絵美さんは「本人は(2冠を)狙いにここに来たので、願いがかなって、よく頑張ったなって思います」と笑顔で祝福した。

 清水は26日の男子100メートルタイムレース決勝で、10秒00(追い風1・7メートル)の日本歴代5位タイの好記録で優勝。2013年に桐生祥秀(京都・洛南高)がマークした10秒01の日本高校記録とU20(20歳未満)日本記録を12年ぶりに更新した。さらに従来のU18(18歳未満)世界記録(10秒06)も更新。9月の東京世界陸上参加標準記録(10秒00)もクリアして「高校生日本代表」も視野に入った。

 実は決勝のレース前、「3桁(9秒台)を狙うと言っていてびっくりした」と正雄さん。「(電光掲示板の表示が)止まった瞬間(10秒)0だったから、優勝が決まってヨッシャーって喜びが爆発しましたし、その後、風が公認かどうかってドキドキしたけど公認だったし。

あれ、これってもしかして(東京世界陸上の)標準記録を切っていない?って」と快挙の瞬間を振り返った。

 家族からの温かい声援を受け、清水はまだまだ進化する。

 ◆清水 空跳(しみず・そらと)2009年2月8日、石川・金沢市生まれ。16歳。両親、姉が陸上をしていたことがきっかけで、小学4年生から競技を始める。石川・長田中の3年時は全日本中学校選手権200メートル優勝。昨年、星稜高に進学し、同年7月にサニブラウン・ハキームが持っていた100メートルの高1歴代最高記録を更新する10秒26をマーク。同年の全国高校総体は2位。今年5月に10秒20、今月4日の日本選手権で10秒19、同26日の全国高校総体で10秒00の高校新記録をマークするなど自己ベストを連発している。「空跳」の名前は走り高跳びの選手だった父・正雄さんが「自分の足で空を跳ぶ」という願いを込めてつけられた。164センチ、56キロ。

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