歌舞伎俳優・中村鷹之資(26)が29日、都内で「第十回 翔之會」(10月3日、東京・浅草公会堂)の取材会を行った。今回は「(自分の)天王寺屋ゆかりの“道成寺もの”」という「奴道成寺」、中村勘九郎(43)が特別出演する「弥生の花浅草祭」を上演する。

 若手の中でも成長著しい鷹之資は踊りの名手で知られた父、5代目中村富十郎の長男。舞踊の大曲に向き合う研さんの場として2013年に勉強会「翔之會」を始め、今年で10回目。「この会を続けてきたから、今の自分があると思う。芸の血肉骨になっている。10回で終わりではありません」と通過点であることを強調する。

 「弥生―」は鷹之資の中で父と中村富十郎さんと勘九郎の父、18代目中村勘三郎の共演姿が忘れられないという。「オーラ、活気が輝いていた。パワフルでエネルギッシュで。2人が築き上げたものに挑戦したかった」と思い続けてきた。

 出演を打診していた勘九郎から「(日程的に)出られることになったから! 出るよ!」と快諾の電話連絡が入ったのは鷹之資の26歳の誕生日(4月11日)。「飛び上がるほど、今年一番うれしかった。勘九郎兄さんの胸をお借りしてやらせていただきます」とこれ以上ないバースデープレゼントを興奮ぎみに話していた。

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