サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」のニルス・ニールセン監督(53)は30日、オンラインで取材に応じ、来年3月に開催されるアジア杯への抱負、ここまでの総括や今後についても語った。

 アジア杯は2027年ブラジルW杯の予選をかねた大会となる。

29日に行われた抽選会で、なでしこはC組に入ることが決定。3月4日に台湾、7日にインド、10日にベトナムとそれぞれ戦う。大会の上位4チームと、準々決勝で敗れたチームによるプレーオフに勝利した2チームを含め、6か国がW杯への切符を手にする。組み合わせが決定し、ニールセン監督は「移動の面が大変かなと考えていたんですけど、グループCであれば移動が少ない。組み合わせは特に不安もなく、いい組み合わせだったかなと思っています」と印象を語った。その上で、2大会ぶり3度目の優勝、そしてW杯への10大会連続出場へ「勝つべきグループに入った。1位で通過すれば他のグループの3位のチームと戦うので、比較的恵まれたと思っています」と言葉に力を込めた。

 昨年12月に監督に就任してから半年ほどが経過した。その期間で、13年ぶりに米国を倒してのシービリーブス杯初優勝、ブラジルとスペインへの遠征、今月の東アジアE―1選手権などを経験した。選手も合計で50人招集。所属チームで攻撃的なポジションを務める千葉玲海菜(26)=フランクフルト=、山本柚月(22)=日テレ東京V=らをサイドバックで起用する布陣も試した。指揮官は「本当にいい準備が出来た」と振り返った上で、「次は第2段階に移るかなと思っています」と、ここからアジア杯までの期間を表現。

ボールを保持し、攻撃的に主導権を握るサッカーを主体としながら「アジア杯が主要な大会では初になる。どうやってトーナメントで勝つのか、ある程度調整しながら戦っていくことが重要になってくる」と話した。

 5月30日(日本時間31日、1●3)と6月2日(日本時間3日、1●2)に行われたブラジル戦、6月27日(日本時間28日、1●3)に行われたスペイン戦ではそれぞれ敗北。フィジカル強度で勝る世界の強豪に、敵地で差を見せつけられた。スペイン遠征後には、佐々木則夫女子委員長からデュエル(1対1)での課題も提示された。

 ニールセン監督もデュエルでの弱さを認めつつ、「必ずしも日本の問題点や課題とまでは思っていません」と強調。MF長谷川唯(28)=マンチェスターC=、MF長野風花(26)=リバプール=の持つ賢さ、DF陣に高さと速さを兼ね備えたDF古賀塔子(19)=トットナム=、DF石川璃音(22)=エバートン=が控えていることを挙げ、「アジア杯では日本が主導権を握る試合が多くなると思いますので、いかに攻撃をスピードアップしていくか。遅いペースで進んだら相手のペースになってしまう。いかに試合の状況を読んで、いつ速く攻めるかを考えながらやっていきたい。いかにうまいコンビネーションを見つけて、より試合状況を読んでいくかも重要になってくる」と、今後の戦いを見据えた。

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