◆全国高校総体◇バスケットボール ▽女子決勝 桜花学園63―59日本航空北海道(1日、ジップアリーナ岡山)

 初の決勝に臨んだ日本航空北海道は桜花学園(愛知)に59―63で敗れた。2010年札幌山の手以来、北海道勢女子15年ぶりの日本一には届かなかったが、全国屈指の名門相手に4点差まで詰め寄り、創部3年目で準優勝に輝いた。

3学年そろって初めて迎えた全国大会で味わった悔しさを糧に、12月のウィンターカップ(東京)で全国制覇を目指す。

 試合終了を告げるブザーとともに、がっくりと肩を落とした。コート中央で歓喜の輪をつくる桜花学園。対照的に日本航空北海道の選手はベンチで涙をぬぐった。矢倉直親監督(63)は「相手の圧力が強い。さすがにうちのガード陣を強烈に守りに来ていた。練習してきたことができなかったのは残念」。26度目の優勝を果たした強豪の実力を認め、唇をかんだ。

 準決勝に続くメインコートには、会場を埋め尽くした観衆の視線が注がれた。点が入る度に大声援も湧き起こり、スタメン唯一の道産子である中村泉咲(3年)は「人数も多くて、少し緊張した」。過去に何度も決勝を経験してきた相手の猛攻を、立ち上がりから止められなかった。

 指揮官も「前半が悪すぎて、やりたいことができなかった。

特にビッグスクリーン(ボールを持っていない選手が相手のディフェンスを止める動き)のところで全然対応できなかった」と振り返るように、177センチで12得点のイシボ・ディバイン(3年)らの対応に苦戦。前半を30―46で折り返すと、第3クオーター途中にはこの日最大となる19点差をつけられた。

 世代別日本代表に選出されてきたエース・庵原有紗(3年)がチームトップの28得点をマークするなど、相手に疲れが見え始めた後半に追い上げを開始。最終盤に3連続得点で4点差まで迫ったが及ばず、中村は「前半から後半のようなプレーができたら絶対に勝てた試合。悔しい」と目を赤くした。

 23年4月の創部から2年4か月。創部時の15人から29人に部員が増え、たどり着いた大舞台。頂点にはあと一歩届かなかったが、矢倉監督は「課題がたくさん見えた。創部当時に掲げた『3年後の日本一』に向けてやっていきたい」と前を向く。中村も「またメインコートに立って絶対優勝したい」と雪辱を誓った。1期生の集大成は12月下旬のウィンターカップ。今度こそ頂に上り詰めてみせる。

(島山 知房)

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