日本ボクシングコミッション(JBC)は4日、2日に東京・後楽園ホールで行われた興行に出場した神足茂利(28)=M・T=と浦川大将(28)=帝拳=の2選手が、試合後に都内の病院に救急搬送された後、「急性硬膜下血腫」と診断され緊急開頭手術を受けたと発表した。両選手とも、現在は経過観察中だという。
同興行のメインイベントで行われた東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチで、同級5位の神足は王者・波田大和(28)=帝拳=に挑戦。偶然のバッティングで両者とも眉間をカットするなどし流血する激闘となり、三者三様の1―1の判定(115―113、113―115、114―114)で引き分け。規定により、王座獲得はならなかった。神足はリング上で判定を聞くと、その場にしゃがみ込み悔やんだ。レフェリーに波田とともに腕を掲げられた際には後頭部を押さえる仕草も見せていたが、試合後は相手陣営にあいさつし、自力でリングを降りていた。しかし控室に戻ってから意識もうろうとなり、病院に救急搬送された。
浦川は、日本ライト級挑戦者決定戦で同級5位・斎藤陽二(29)=角海老宝石=と対戦し、8回TKO負け。7回終了までジャッジ3者が1~3ポイント差のリードと採点するなど優勢に試合を進めていたが、最終8回に連打を浴びて倒された。試合後は担架に乗せられてリングから運ばれ、病院に救急搬送された。
神足と浦川は昨年4月30日、後楽園ホールでライト級8回戦で対戦。浦川が6回TKOで勝利している。
開頭手術を受けた選手は規定によりプロライセンスが失効するため、現役引退となる。