J2北海道コンサドーレ札幌MF高嶺朋樹(27)が、本職の位置でチームをけん引する。11位の札幌は1日、ホームでの4位・鳥栖戦(2日)を控え、プレミストドームでの非公開練習で2試合ぶり勝利に向け、調整を完了。

主将の高嶺は「昇格争いに食い込むためには8月は負けられない。大事な試合になる」と表情険しく、必勝を期した。

 出場停止1試合を除く22試合にフル出場と、チームで最も長くピッチに立っている。けが人などの影響からセンターバックや両サイドバックにも入ってきたが、鳥栖戦では本来のボランチを務めることが確実。高精度のキックで前線へボールを配球し、絶対的な強さを誇る1対1で相手の芽を摘む能力が、最も生きる場に戻る。「攻守で関わるポジションに配置されるので。攻撃では点に絡む。守備はボール奪取のところで自分が任されている部分があるので。そこで貢献したい」。役割を全うし、勝利への確率を引き上げる。

 1年でのJ1復帰を目指す今季だが、開幕4連敗と出遅れ。1日時点で自動昇格圏の2位・千葉とは勝ち点10、プレーオフ圏の6位・徳島には同7差をつけられている。

同8差で同じく降格組の鳥栖との直接対決。1―2で敗れた敵地での雪辱を果たせなければ、目標達成の道は険しくなる。

 3週間の中断中、主将として大声でチームを盛り立てる一方、厳しい言葉も発し、士気を高めてきた。成果を示す舞台へ「勝たなきゃいけない状況は何も変わっていない。どんな形であれ、勝てればいい」。生き残りへ、高嶺がピッチの中央を制圧し、最良の結末へとつなげる。(砂田 秀人)

 〇…岩政大樹監督(43)が巻き返しへの要点を説いた。1日時点で10位以上のチームは全て得失点差がプラスも、札幌はJ2で下から4番目のマイナス9。指揮官は「全体のバランスを整えないといけない状況。難しいことだが、オープンにならずにアグレッシブに戦うことがポイント」と植え付けてきた意識を再注入してきた。その上でここまでの戦いを見返し「うちの選手層を踏まえれば、もう少し冷静に戦えれば」と好不調の波をなくすべく、タクトを振っていく。

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