男子成年は、22年北京五輪ノーマルヒル(NH)金メダルの小林陵侑(28)=チームROY=が、合計288・0点で、今季のサマージャンプ初出場で優勝し、貫禄の3連覇を果たした。1回目に134・5メートルで首位に立ち、2回目は131メートルを飛んで逃げ切り、26年ミラノ・コルティナ五輪シーズンを好発進した。

葛西紀明(53)=土屋ホーム=は7位。女子は、昨季の世界選手権複合で銅メダルを獲得した葛西春香(21)=早大=が制覇。高梨沙羅(28)=クラレ=は出場していない。

 6日であと半年と迫ったミラノ五輪での連覇へ、王者が存在感を際立たせた。小林陵の1回目。風がめまぐるしく変わる悪条件も関係ない。低い助走姿勢から鋭く飛び出し、134・5メートルまでぶっ飛ぶと会場からどよめきが起こった。2回目も好飛躍を披露し、圧倒V。小林陵は「1回目は風もよくて気持ちいいジャンプができた。冬に向けて夏の一歩を踏み出せた」と納得の表情だった。

 今季から再びルールが変更され、スーツはよりタイトになり揚力を得づらくなった。苦戦する選手もいるなか、強さはまったく変わらない。

「圧倒的に技術が大事になる時代がきた。僕ら日本チームにとってはいいこと」と歓迎している。

 今オフは自身の好きなゴルフをし、五輪シーズンが始まっても2日には知人を通じて札幌競馬場に足を運び、初の競馬観戦でリラックス。焦らず陵侑流マイペース調整をした。「笑って終われるように(W杯の)総合優勝、金メダルを目指して頑張りたい」。スタイルを貫いて世界の頂に立ってみせる。(松末 守司)

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