大相撲の夏巡業が3日に始まり、大阪・関西万博の会場内にあるEXPOメッセで「万博場所」が行われた。万博会場内での本格的な巡業開催は初めて。

力士たちは協会から万博巡業担当の武隈親方(元大関・豪栄道)を通じ、朝稽古から取組までの空き時間に「万博を自由に見てきていい」と伝えられていた。積極的に行動したのが幕内・熱海富士(伊勢ケ浜)。会場近くのイタリア館などに出向き、万博の雰囲気を体感した。

 熱海富士は一般客からの記念撮影の求めに応じながら、まずは「コモンズD館」に足を運んだ。アジア・アフリカの20か国以上の展示ブースが並び、民芸品などを見ながら散策。次に人気のイタリア館に向かった。

 イタリア館では日本初公開の古代ローマ時代の大理石彫刻「ファルネーゼのアトラス」の写真を撮り、自らも撮られながら満喫した様子。パビリオンの横にあり、長蛇の列ができていたジェラートの出店に「おいしそうですね」と後ろ髪を引かれながら、巡業会場に戻っていった。

 数十分間の見学を終えた熱海富士は「自分が現役のうちに万博が開催されることはもうないと思うので、見てみたいなと思っていました。すごかったですね。散歩も好きなので、楽しかった」と白い歯を見せた。先場所は終盤まで優勝争いに絡み、11勝を挙げた。

秋場所(9月14日初日・両国国技館)に向け、新たな刺激を得ていた。

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