◇米女子プロゴルフツアー メジャー最終戦 AIG全英女子オープン 最終日(3日、ウェールズ・ロイヤルポースコールGC=6748ヤード、パー72)

 大阪桐蔭・女子ゴルフ部の柴山香織監督(52)が4日、メジャー初優勝を飾ったまな弟子の学生時代の逸話や素顔を明かした。この日早朝の吉報に「偉業達成おめでとうございます。

これからもジュニア、若いプロの目標となるトッププロであり続けてほしいです」と喜んだ。

 山下が小学3年時に出会い、約10年指導。最も驚いたのは内面の強さだった。「山下の口から『あの時、風が…』とか、誰がこうしたからとか、一切聞いたことがない」という。中学生の頃、両親の運転で試合会場に向かったが道に迷い、開始直前に滑り込んだことがあった。山下は練習せずにラウンドも普段通りプレー。この舞台裏を知ったのは後日、山下の母から謝罪があった時だった。「(両親を)責められたくなくて、誰にも言っていなかった。普通に優勝争いしていました」。家族思いで言い訳しない姿勢は、学生時代から兼ね備えていた。

 一方で、試合ごとの振り返りシートの記入などは「すごいポンコツ」だったと苦笑い。書きかけのような状態や「きんとれ」の平仮名4文字も…。

それでも、山下の書く文字は濃く、大きかった。「これが大物になる要素」と柴山監督。周囲は「山下ってそんなにすごい子だったの?」と2年連続日本ツアー年間女王など、プロでの活躍に驚いたという。

 恩師の目には、さらに成長するまな弟子の姿も映る。「勝てなかったら反省。一度も長くくすぶっていないのは、本気で勝とうとやっているから」。24年間、逃げ道を作らず歩んできたからこそ、世界の頂点にたどり着いた。(瀬川 楓花)

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