ミラノ・コルティナ冬季五輪開幕まで6日であと半年。スノーボード女子ハーフパイプ(HP)の金メダル候補、清水さら(15)=TOKIOインカラミ=がスポーツ報知の単独取材に応じた。
初の五輪出場、メダル獲得が現実味を帯びてきた。15歳の清水は「今のスノーボード界で一番大きな大会ですし、小さい頃からの目標、夢。来シーズンが、今までスノーボードをやってきた中で一番大きなシーズンになるんじゃないかな」と笑顔で思い描いた。
21年に小学5年生で全日本選手権を初制覇し、日本最年少11歳でプロ資格を取得。「もっと上を目指したい」と意識する大舞台はあと半年後に迫る。初出場でメダル獲得となれば、22年北京五輪女子ビッグエアで銅メダルを獲得した村瀬心椛(ここも)の17歳を更新する冬季日本女子の最年少記録の快挙。「4年に一度。金メダルを目指して頑張っていきたい」と目標を大きく掲げた。
五輪プレシーズンに、勢いは増すばかりだ。
武器は縦回転を入れた大技。恐怖心や男子より少ない筋力を理由に女子で繰り出す選手は多くないが、清水は「怖がらない、挑戦するタイプ」という。初のW杯転戦も「海外選手と触れ合う時間も多くて、いろんなスキー場に行ったことも楽しかった」と頼もしく、私生活では「バンジージャンプとかもやってみたい」とチャレンジ精神は人一倍だ。小学4年生から習っていた体操とトランポリンでの空中感覚も生かして縦回転を習得。世界トップクラスまで駆け上がり、昨季のW杯種目別ランキングも日本勢トップの3位と結果を残した。
さらなる飛躍を目指していく。五輪で成功させたいのは、ダブルコーク1080(縦2回転、横3回転)。金メダル獲得へ、「やらなくてはいけない技」と位置づけており、「回転力をつけたり、もっと高く飛びたい。
◆冬季五輪の日本人年少メダル5傑◆
順 年齢 選手名 結果 種目 大会
〈1〉 15歳 74日 平野歩夢 銀 スノボ男子HP 14年ソチ
〈2〉 17歳100日 村瀬心椛 銅 スノボ女子BA 22年北京
〈3〉 18歳105日 平岡 卓 銅 スノボ男子HP 14年ソチ
〈4〉 19歳 35日 西谷岳文 金 Sトラック男子500メートル 98年長野
〈5〉 19歳 69日 羽生結弦 金 フィギュア男子 14年ソチ
【注】HPはハーフパイプ、BAはビッグエア、Sはショート
◆ハーフパイプ展望 男女でメダル量産に期待だ。男子は五輪3大会連続メダルの平野歩夢が2連覇を目指す。昨季W杯で種目別3連覇の平野流佳、五輪2大会連続代表の戸塚優斗も安定感。女子は清水、北京五輪銅の冨田せな、世界選手権銅の小野光希、4位の15歳・工藤璃星ら層が厚い。
◆ハーフパイプのミラノ五輪への道 今季と来季の世界選手権やW杯の成績上位の大会で獲得したポイントの合計が高い選手が選出される。各国・地域の出場枠は26年1月までのW杯や世界選手権の成績をもとに決まり、種目ごとに男女各最大4人が出場できる。
BA&SSでもメダル期待大! 〇…ビッグエア(BA)とスロープスタイル(SS)の2種目もメダルラッシュが期待される。男子の23年世界選手権BAで優勝した長谷川帝勝(19)、今年1月に6回転半の大技を世界で初めて成功させた荻原大翔(20)=ともにTOKIOインカラミ=。同女子は22年北京五輪BA銅メダルで今年の世界選手権BA優勝の村瀬心椛(20)=TOKIOインカラミ=、同2位の岩渕麗楽(23)=バートン=、同3位の深田茉莉(18)=ヤマゼン=に勢いがある。
◆ミラノ・コルティナ五輪 会期は26年2月6~22日。開会式はサッカーのACミランやインテルの本拠、スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(通称サン・シーロ)。閉会式は古代ローマの円形闘技場アレーナ・ディ・ヴェローナ。