バスケットボールB1リーグの京都ハンナリーズは5日、京都市内で2025―26シーズンの新体制発表会見を行い、今季目標に初の日本一を掲げた。新任の伊佐勉ヘッドコーチ(HC、55)と、いずれも新加入のPG(ポイントガード)の小川麻斗(23)、PG/SG(シューティングガード)の渡辺竜之佑(30)、SF(スモールフォワード)のホール百音アレックス(26)が出席。
Bリーグ10季目の節目に、京都が初の年間優勝を掲げた。過去9季はチャンピオンシップ(CS)へ唯一進出した17―18年の8強が最高成績。昨季は6季ぶりに勝率5割復帰を果たしたが、松島鴻太社長(34)は「5割で満足してしまった部分がある。今季は明確に日本一を目指す」と言い切った。今季からGMも兼ねるトップの照準は頂点のみ。bjリーグ時代に琉球を2度の日本一に導いた伊佐HCも、自身初のBリーグ制覇へ「京都を日本一にしたい」と呼応した。
昨季の京都は、エジプト代表などを指揮したロイ・ラナ前HC(56)の下、堅実な守備で西地区3位。前年の同最下位から躍進したが、クラブは同HCとの契約を更新せず、新たな一歩を踏み出した。松島社長は「次のフェーズへ進む」と説明。伊佐HCは「僕のバスケットは真逆。
選手では、昨季までのキーマンだったPG/SG岡田侑大(27)が島根へ移籍。クラブは新戦力として、B1千葉Jから小川、B2福井から渡辺、同じく青森から百音を獲得した。中でも出場機会に恵まれていなかった千葉Jから期限付き移籍の小川は、岡田と同ポジションで期待大。「出場していない中で見てくださっていた。岡田選手が抜けたが、そこを埋め、戦えるチームをつくっていけたら」と意気込んだ。松島社長も「これからクラブの顔になってほしい」と来オフの“完全移籍”も視野に入れている。
京都は26―27年に始まる国内トップリーグの「Bプレミア」参戦も決定済みで、28年には約9000人収容の新本拠・京都アリーナ(仮称)も完成予定。30年には現在の公表額の2倍以上となる年間売り上げ30億円の目標を掲げる。「京都ナンバーワンのエンターテインメントを目指す」と松島社長。ビッグクラブへ歩みを進めるため、まずは今季、生まれ変わった姿を見せる。
◆京都ハンナリーズ(KYOTO HANNARYZ)2008年7月創設。クラブ名は京ことば「はんなり」(華やかで上品さと気品も兼ね備えているさま)から命名された。チームカラーは花浅葱色(はなあさぎいろ、鮮やかな青緑色)。ホームタウンは京都市。ホームアリーナは、かたおかアリーナ京都(京都市体育館)。
◆今季のB1リーグ年間優勝への道のり リーグ戦は全60試合。東地区13、西地区13の計26クラブが他の25クラブと2回戦総当たりし、さらに任意で選ばれる自地区4クラブ、他地区1クラブと、それぞれ2回戦を戦う。順位は勝率で決定。各地区上位2クラブと、他22クラブのうち勝率上位4クラブの計8クラブがCSに進出する。CSは準々決勝、準決勝を進出上位クラブのホームで、決勝を中立地で行い、すべて2戦先勝方式。