プロボクシングWBC&IBF世界バンタム級王者・中谷潤人(27)=M・T=が6日、都内でWOWOW「エキサイトマッチSP 中谷潤人vs西田凌佑、那須川天心vsサンティリャン」(8月11日午後9時、WOWOWライブ&オンデマンド)の収録にスペシャルゲストとして参加。2日に東京・後楽園ホールで行われた試合後に急性硬膜下血腫と診断され緊急開頭手術を受けたジムの先輩の神足茂利(28)について、3日にお見舞いに行ったことを明かし、心境を語った。

 「お互いリスクのある中でダメージを与え合うスポーツなので、こういう状況になってすごく悲しいです。祈る事しかできない状況は歯がゆいですが、しっかり戻ってきてくれることを祈っています。一人でも多くの人にそういう思いを届けてもらえれば神足君にも届くと思うので、僕自身も、早く帰ってきてくれるように念を送りたいなと思っています」

 中谷は、神足の試合前のサウスポー対策として約1か月間、週1、2回、4~5ラウンドのスパーリングを重ね、アドバイスも送っていた。

 2日の興行では、浦川大将(28)=帝拳=も試合後に急性硬膜下血腫と診断され緊急開頭手術を受けている。日本ボクシングコミッション(JBC)は、2件の事故を検証するとともに、東洋太平洋タイトルマッチの12回戦から10回戦へ短縮や、日本タイトルマッチで実施している事前計量(試合30日前に規定体重の12%増以内、2週間前は7%増以内の制限を課す)の他試合への拡大、他の格闘技団体も採用しているハイドレーションテスト(尿比重検査)の導入など、安全面での対策を検討していく意向を示している。

 中谷は昨年2月にWBC世界バンタム級王座を獲得して以降、WBCから提出を義務付けられていることもあり、脳のMRI(磁気共鳴画像)検査を定期的に行っている。「僕自身も数多くスパーリングするタイプの選手なので、健康状態をチームとも共有しながらやることが大事になってくるのかなと思います。チーム全体も選手自身もリスクは覚悟の上で、リスク回避を徹底してやっていければ。少しでも頭が痛いなと思ったらしっかり病院で診てもらうことも大事ですし、選手個人個人の意識も大事になってくるのかなと思います」との考えを述べた。

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