今年4月の香港・クイーンエリザベス2世Cでレース中に故障し、安楽死となった23年3冠牝馬リバティアイランドの墓碑が北海道苫小牧市のノーザンホースパーク内に設置された。6日、記念セレモニーが同パーク内で行われ、主戦を務めた川田将雅騎手(39)=栗東=、同ホースパーク代表取締役の吉田勝己氏、生産者のノーザンファーム副代表・吉田俊介氏らが参加した。
墓碑は色とりどりの花に囲まれた「ガーデナーズガーデン」に設置され、この日はぬいぐるみやファンからの記帳なども供えられた。献花を行った川田は「こうしてお墓を作ってもらえる馬は数えるほどしかいないですし、オークスのパドックでも乗った直後にお花を食べようとした子ですから。これだけきれいな空間にいさせてもらえることは、とてもありがたく思います」と穏やかな表情で感謝を述べた。
デビューから12戦全てで手綱を執り、ともにG14勝を挙げた“お嬢さん”への思いを改めて問われると「一番特別ですから。気持ちの整理がつくことはないですけど」と神妙な面持ち。それでも「ジョッキーですのでそれを受け入れてやっていくしかないですし、リバティが残してくれたいろんなものを次につなげていくことが僕らの役割です。また騎手として一戦一戦を大事にするだけです」と静かに前を向き直した。
式典の冒頭では、吉田勝己代表が「香港でのレース、本当に残念で無念でなりませんが、いつでもお参りできるお墓を作らせていただければ、馬も幸せになってくれるんじゃないかなと思いました」とあいさつ。感謝と黙とうをささげた。
墓碑は8日から一般公開。パークの開園時間中は自由に立ち入れることになっている。(角田 晨)