プロボクシングWBC&IBF世界バンタム級統一王者・中谷潤人(27)=M・T=が6日、都内でWOWOW「エキサイトマッチSP」(8月11日・午後9時)の収録に参加。次戦でのスーパーバンタム級転向を見据え、近日中にもバンタム級王座を返上する意向を初めて示した。

また、来年5月頃に東京ドームで対戦が計画されている世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=の次戦(9月14日、名古屋市・IGアリーナ)を、現地視察することも明かした。

 モンスターが待つスーパーバンタム級へ、いよいよ戦いの舞台を移す。中谷は転級について「いつでもっていう感じですね」と語った後、遠からずバンタム級王座を返上するか問われ「はい。そうなると思います」と明言。これまでは次戦がどちらの階級になるか「半々ぐらい」と話していたが、近日中にも2本のベルトを返上する意向を示した。

 現在の体重は「過去イチ」の63キロ。すでにスーパーバンタム級(55・3キロ以下)での戦いを見据えたトレーニングにも取り組んでいる。「体作りは大事になってくるし、あとは感覚。体重が上がって、どう感じるかをボクシングに落とし込む作業ですね」と話した。

 同級転向初戦となる次戦は11~12月となる見通しだ。対戦候補として、井上と5月に対戦し、ダウンを奪いながらも8回TKO負けしたWBA同級1位ラモン・カルデナス(29)=米国=の名前も挙がっているが、「(井上と同じ)右の選手であれば、そこまでこだわらない」と笑顔で答えた。

 井上との東京ドーム決戦は、同級転向2戦目となる予定だ。

9月の井上とWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30)=ウズベキスタン=との防衛戦も「現地に行かせてもらいます」と明かした。「ボクシング人生、しっかり積み上げてきたものがある。そこをぶつけていきたい。結果、どういう形になるか分からないが、精いっぱい戦うだけ」。日本ボクシング史上最大の一戦を制し、4階級制覇を果たすべく万全の準備を進めていく。(勝田 成紀)

◆試合後に開頭手術 同門・神足茂利の回復祈る

 中谷が、2日の試合後に急性硬膜下血腫のため緊急開頭手術を受けた同門の神足茂利(28)の回復を祈った。3日に見舞ったことを明かし「祈ることしかできない状況は歯がゆいが、しっかり戻ってきてくれることを祈っている。一人でも多くの人にそういう思いを届けてもらえれば神足君にも届くと思う。僕自身も、早く帰ってきてくれるように念を送りたい」と沈痛な表情で語った。

 2日の興行では、浦川大将(28)=帝拳=も試合後に緊急開頭手術を受けた。脳のMRI(磁気共鳴画像装置)検査を定期的に行っている中谷は「リスク回避を徹底してやっていければ。少しでも頭が痛いなと思ったら病院で診てもらったり、選手個人の意識も大事になってくる」との考えを述べた。

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